第6話

 夏休みが終わってしまった。今日は久しぶりの学校で始業式の日だ。夏休みは小鳥ちゃんとゲームしたり映画を見たり水族館に行ったりしてたらもう終わってしまった。そんなに時間が経っていないのにもう懐かしく感じてしまう。

 そんな楽しかった思い出に浸っていると周りがうるさくなり始めた。教室を見渡すと、ほとんどの人が来て周りと夏休みに何をしたとか宿題をやってきたかなどを話していた。中には友達に宿題を撮させてくれとたんのでいたり、現在進行形で宿題をや猛者までいた。まぁ、私は小鳥ちゃんと一緒にやったからよく聞く夏休み最終日に宿題に追われるなんてことはなかった。ちなみに兄は全然宿題をやっていなかったらしく最後3日間くらい宿題に追われていた。その間、小鳥ちゃんは兄の宿題を手伝っていたから、まぁ好感度を稼いだだろう。


「桜ちゃんおはよう。」


 隣の席の子が来たみたいだ。名前は確か髙橋だったかな。


「おはよう、髙橋さん。」

「久しぶりだね。夏休みどうだった。私は沖縄に行ってきたんだ。」

「沖縄行ったんだ、すごいね。私は旅行はせずに家にいたよ。」


 良かったあってたみたいだ。彼女は1学期に確か5月頃だったか、席替えがあってその時からお隣さんだ。よく教科書を忘れてきて見せていたからちょくちょく話しかけてくるようになった。

 それから先生が来るまで髙橋さんの話を相槌を打ちながら聞いていた。




 校長先生の長い話を聞いて始業式が終わり、クラスでの連絡事項が先生から伝えられ今日が終わる。2学期の初日なので流石に授業はしない。お陰で午前中で帰れるからラッキーだ。クラスではこのあと遊ぶ予定を立てるクラスメイトで賑わっていた。

そんなはしゃぐ声をBGMに帰り支度をしていると髙橋さんが声をかけてきた。


「ねぇ、桜ちゃん今日遊ばない?」

「ああ…やめとく。」

「そっか。じゃぁまたね。」


 髙橋さんは時々私を遊びに誘ってくるけど全部断っており一度も遊んだことはない。申し訳ない気持ちはあるがどうしても気が向かないのだ。心の中で“ごめん“と髙

橋さんに謝りながら教室のドアに向かう。


「桜、お前もう帰るのか」


 男子に声をかけられた。さくらという名前も苗字もこのクラスには私だけなので人違いではないだろう。


「帰るけど何?」

「お前今日予定あるのか?」

「ある。じゃあ。」


 早々と会話を切り上げ教室をでる。後ろから笑い声が聞こえてくる。何を言っているかわわからないが盛り上がっているようだ。私にはこれから家に帰ってお昼ご飯を食べるという予定があるのだ。今日のお昼は何だろう?

 まだ暑さの残る帰り道を歩きながら午後の予定を考える。小鳥ちゃんは私より1週間ほど早く学校が始まっているからいないだろうから1人でゲームでもするか。というか高校生って小学生よりも夏休みが短いんだな。そんなに取り止めのないことを考えながら歩いていると我が家が視界に映る。

 「ただいま」と言いながらドアをくぐり自分の部屋に荷物を置いてリビングに行く。テレビを見ていた母に「お昼何〜?」と聞くと「そうめんよ」と短いセリフで返ってきた。夏休み終わったのにそうめんがでることにうんざりしながらテレビを見る。ニュースがやっていたが面白くなくすぐに興味を失った。


「午後はどこか遊びに行くの?」

「行かないよ。」

「そう。たまにはお友達と遊んだらどう?」

「気が向いたらね。」


 母とそんな短い会話をしてまたテレビに視線を戻すけどすぐに興味をなくし部屋から本を持ってきてお昼ご飯までの時間を潰す。

 母は時々友達と遊ぶことを勧めてくる。母にはこれまで一度も「学校の友達と遊ぶ」と言ったことがない。そもそも学校にいないけど友達が。私の友達は小鳥ちゃんだけだ。そんな私を心配しているのだろうか母は。それとも呆れているのだろうかはたまた嫌っているのか。時々考える、他人へ興味を示さず繋がりを持とうと思わない私を母はどう思っているのだろうか、失敗だと思っていないかそして少し不安になる。そしてそう考えておきながら私は今の自分を変えようとは一切思わない。別に何か信念があるわけではないただ、そう気が向かないそれだけなのだ。だからこれからも変わらない、で気が向いたら変わるんだろうそんな将来の自分を思い想像する。



 「ご飯ができたよ〜。」

 と母の呼び声に、本をパタリと閉じテーブルの上に置く。そうめんにつける薬味どれにしようかなと考えながら席についた。




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私(桜空):

 クラスメイトに興味なし。一応たまに遊びに誘われるが全部断っている。

桜陸:

 空の兄。高校1年生天文部。

 夏休み中宿題に手もつけず、ラスト3日間で小鳥に手伝ってもらって消化した。


天宮小鳥:

 空の友達。陸の幼馴染。

 空から唯一友達認定されている。夏休みラスト3日間は陸の宿題の手伝いで消えた。本人は空と共に計画的に消化した。


髙橋:

 空のクラスメート。

 席が空の隣で教科書をよく忘れる。空にはよく教科書を見せてもらっており仲良くなったと思っている。たまに空に名前を間違えられている。たまに遊びの誘いをするが全部断られている。


クラスの男子:

 空のクラスメート。

 空のことが気になっており絡みに行くがあまり相手にされていない。今回も遊びに行く誘おうとしたが、速攻で会話を切り上げられている。いつも会話をバッサリと切り上げているためクラスメイトからネタにされている。

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