第二章
さいならまたどっかで
「じゃあ、僕は道が違うから、ここでお別れだね」
「おう」
どうやらコギルさんは自分の国の警察署に帰るらしい。
「じゃぁ、チチチーチチーチチの討伐頑張ってくださいね」
「おう!」
俺は手を振った。
「さいならー!またどっかでー!」
コギルさんの姿は遠くなってゆき、やがて消えた。
「随分とあっさりした別れだったな」
「ああ、俺はある漫画で聞いたのサ、『また会ったとき恥ずかしいからね』と…って、え!?お前誰だよ!」
「もう忘れたのかよ!俺だよ俺、お前にとっての(自主規制)だよ!」
まさか…あの時死んだと思っていたが、そうではなかったようだ。そう…
「リア充野郎!」
「よっ!無職ジジイ!」
女の方も男の背中から出てきた。
「貴様ら…なんで死んでない!」
「それはなぁ、俺がチチチーチチーチチ様の仲間だからだよ」
「はぁ!?どういうことだそれ!」
「言ったとおりだよバーカ!死ねぇぇぇぇぇ!!」
そういったとたん、俺は巨大な衝撃波を食らい、どこかへ飛ばされていった。
「まずい!このままじゃ落下死する!」
その通りだった。『覚醒』ももう切れているし、もう何もできない。
「うおーーーもう適当に魔法打ってやる!
そのとたん、視界は真っ暗になった。目覚めると…
「ん…なんだこりゃ」
とりあえず死んでないことは分かった。だが…
「ど、どうしたの英知、急にぶっ倒れて…」
ふーん、男の方の名前は英知というのか。少々あれな名前だな。
だが、俺は今リア充のところにいるのか。
今の状況を理解できない。
俺が今適当に打った魔法は、「ソウルエクスチェンジ」直訳すると…
「ああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「!?どうしたの!」
「そうか、そうか、そういうことだ!俺は今英知なんだ!」
「はぁ!?当たり前でしょ!?いまさら何言ってんの!?」
「ちがう、俺は山口 浩だ!だが俺の体は英知なのだ!」
「行ってる意味が全然分かんないんだけど!」
「つまりだ…俺の今の心は山口浩なんだ!」
「なんでよ!」
「それは…あれだ!ソウルエクスチェンジを使ったからだ!」
「…ソウルエクスチェンジ…?ああああぁぁぁ!!!」
「やっと意味が分かったか!」
「…待って」
「ん?どうした」
「てことは、今あんたの体の中にいる英知は、どうなっているの?」
「……あ」
俺は、今、新たな問題に直面していることが分かった。
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