決戦の終わり

「いやぁ、ありがとう、いや、ありがとうございます!ヤマグチさん!」


「だからため口でいいって!」


俺たちは今、アルファート城でたくさんの祝福を受けていた。


中には、「王を殺すなんて最低だ!(自主規制)!」というものもいたが、ほとんどの人が俺たちに感謝していた。


リア充どもは牢から釈放され、「牢屋から遠距離攻撃(ry」などと言っていたが、もはやあいつらの言う言葉は誰も聞いていない。


そんな時だった。


「ウィーオン!ウィーオン!」


「な、なんだ!?」


「緊急事態!緊急事態!急いで城の外へ向かってください!」


俺たちは急いで城の外へ向かった。すると…


「よう、ひさしぶりだな」


「お前は…!」


「そう、私の名は…」


「「大魔王・チチチー・チチ―・チチ!!」」


二人の声が重なった。


「お前!こいつのこと知っているのか!?」


「ああ、しかもこいつは俺の父親だ!」


「えええええええええええ!!??」


コギルはとても驚いていた。


「おい!今の名前言うところは私のセリフだろうが!」


「知るかよ札人デュエンチュ!」


「本名で呼ぶな!」


「あっ…!」


後ろがざわついた。


「え?本名が札人デュエンチュ…?」


「信じられない…」


「こんな時代からキラキラネームってあったの…?」


「う、うるさいうるさあああい!もういい、罰としてこの街を消し去ってやる!」


「器小さすぎだろ!」


「行くぞ…スーパートルネードエクスプローション!」


「なんだその幼稚な名前!」


そういった瞬間、何か違和感を感じた。


「体が、重い…」


すると…


「あれ?あれ?」


「ふふふ…この街を消し去ってやったぞ、安心しろ、コギルとやらは無事だ」


――ああ、なるほど。


今、父さんはこの街を消し去った。もちろん、コギル以外の人も。


だからだ。体が重く感じたのは。


つまり、俺の体が重かったのは、父さんのえぐい爆発のせいで、この世界の処理速度が遅くなっていたんだ!


「嘘だろ…?この街の人全員死んだのか…!?」


とコギルさんは言った。


ん?待てよ、てことは…



「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


「!?どうしたんだヤマグチ!」


「リア充が死んだぞ!あのリア充どもが!死んだぞ!やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


コギルさんは引いていた。俺は我に返った。


「すまん、お前にとってはつらいことだよな」


「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


「!?」


「この町に住むやつ全員指名手配犯だったんだ!やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!俺の手柄にできるぅぅぅぅ!!」


――一番引いていたのは、父さんだった。

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