第22話 ごみ捨ては

膨大な分量の段ボールと梱包材の残骸を前に、私は途方に暮れていた。これらって、どう処分すればいいのかな。


早速大家さんにWhatsappで聞いてみる。


あの、膨大な分量の段ボールを処分したいのだけれど、どうしたらいいですか?

そう、大家さんは家のルールに厳しそうだし、そもそもこんな大量の段ボールが、共同のゴミ箱に入るはずもなかった。


だったら、あなた、車ですぐそこのゴミ捨て場にもっていけばいいのよ。


と言って教えられたのは、家から30メートルほどのところにあるゴミ捨て場。ルクセンブルグでは、紙製品は青のゴミ箱、グラスは緑のゴミ箱、普通ごみは黒のゴミ箱、そしてペットボトルや缶は専用の水色のゴミ袋に入れて出すことになっている。


話はそれるが、この水色のゴミ袋は、どこに言っても売っていない。これは政府が特別配布しているものなのだ。最初その仕組みをよく理解していなかった私は、いくつか店を回り探して、どこにもないということに途方に暮れていた。あとで大家さんに聞いて、やっと理解したのだった。


さて、家の近所のゴミ箱は、巨大なもので、青と緑が設置されている。このような場所は市内にいくつもあるらしい。ゴミを家にためておくことに抵抗のある私は、この距離で不用品が処分できることがとてもありがたかった。さらにこれだけ近くにあるのはラッキーだ。しかし、これだけの分量になると、直線距離は近いのに、車でなければ運べない。でも、車、地下なのにな。


仕方なく家の前に路駐し、友人に手伝ってもらい、段ボールを小さくして車に乗せられるようにして、3往復したところですべてのゴミがようやく片付いた。


はぁ。ゴミって処理するのこんなに大変なんだな。だったらもう少し払ってでもお兄さんたちにやってもらえばよかったな。


でもそんなことはあとの祭り。こちらに来てから、一人で初交渉、成立、しかもフランス語しか話せない人たちと、そしてIKEAの家具もすべて組み立て終わり、想定した位置に設置が完了していた。


よく頑張ったね!頑張ったあなたと小さな成功に乾杯!ということで友人とワインで乾杯。


まさかの展開に圧倒されかけたが、彼女のような人と友達に慣れて本当に助かった。これだけ自分の常識と違うと、誰かにアドバイスをもらうということはとても重要なのだった。

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