第21話 IKEAの家具、組み立て2日目

初日、IKEAのお兄さんたちが帰った後、友人にWhatsappで報告してみた。


ねえねえ、交渉うまくいって、200ユーロでゴミ捨ても、家具の組み立ても全部やってくれるって!アドバイスありがとう。今日終わらなかったから、明日また来るってさ。


は?あなたまさか200ユーロ、払っちゃったわけじゃないよね。


え?全部払ったけど。


あーー!もう、それで明日彼らが来なかったらどうするつもりなの?


えええ??そんなことってあるの?くるって言ってたけど。


めちゃめちゃ嫌な予感がしてきた。そうだよ、私としたことがなんでそんな簡単なことに気づかなかったのか。なんといってもGoogle Translateを使って、交渉しているわけだし、口約束だし、彼らが来なかったらそれで終わりなのだ。来なかったら、200ユーロ払った損で、残りのゴミの片づけや、家具の組み立てを自分でやんなきゃいけないじゃないの。


うーん、そんなことこれっぽっちも考えてませんでした。そんな風にぼられる可能性があるなんて。普通そんなことありえないでしょう?


すると友人が、一言。


あなたってなんてナイーブなの。ぼられるなんて普通。口約束なんだから、破られて当然、だれのことも信用しない、くらいの勢いで人とは接しないと、本当に馬鹿をみるよ。でもね、大丈夫。明日来なかったら手伝ってあげるから。


そして明日はやってきた。それこそガーベラでも買って、来る、来ないの花占いでもしたいくらい悶々とした気持ちで待っていたが、なんと。驚くなかれ、お兄さんたちは来てくれたのだった。


世の中そんな捨てたもんじゃないじゃないか。ヨーロッパとは言ったって、ちゃんときてくれたじゃないか。


早速友人に報告する。ねえ、来てくれたよ!いま家具組み立ててくれてる!


ははは、今回はラッキーだったね。これにこりて、絶対に先払いはなし。半分先に払って、最後に残りを払うなんて普通なのよ。それに交渉次第だからよく覚えておくように。


おっしゃる通りでございます。命が縮まる思いだった。


お兄さんたちは組み立てが終わると、じゃあねーと言って帰ろうとする。


あれ?ゴミ忘れてますよ。と私が言うと、え?ゴミの処分はできないから自分で捨ててくれる?今日日曜日だから処理場しまってるし。じゃあねー。と明るく挨拶され、帰られてしまった。


うーん、来てくれただけましだ、と思ったほうがいいのか。


膨大な量の段ボールを前に、次のミッションはごみを捨てることだと悟った瞬間でした。

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