第18話 会社にはどうやっていこう

さて、転勤できたくせに、ずっと会社に行ってない。そろそろ出社せねば。


私の仮住まいから会社までは、バスと路面電車を乗り継いでいくことができた。乗り換えは面倒だけど、仕方がない。


ルクセンブルグでは公共の交通機関はすべて無料で、これは国内すべてというから気前が良い。しかし、当然のことながら、頻度は高くない。


私が日本で住んでいたところでは、交通の便が良く、電車やバスの予定を確認したことがなかったが、こちらに来てからは必ず確認するようになった。雨風の中、待ちたくないもん。


路面電車(トラム)は4分おきに走ってるから、これはいつ行っても大丈夫。問題はバスなのだ。バスは、路線にもよるが、大体15分から20分おきのようだ。ほとんど毎日がしとしと雨で、寒いので、なるべく待ち時間が少ないように調整しないと惨めな思いをする。


そこで、気づいたのだ。なんだ、会社まで一本で行けるバスがあるじゃないか。それに乗れば乗り換えないから便利!


ということで、次の日は乗り換えずに一本で行ってみた。しかし、このバスはこれでもか、というほど迂回して走るバスで、トラムに乗り換えていくときと比べて、倍の時間がかかるのだった。


うーん、このルートは使えないな。


次の日からはトラム乗り換えで行くようにしたのだがどうも効率が悪い。行きはよいが、帰りはトラムから降りた後バスへの乗り継ぎがどうもよくないのだ。


そこで、意を決して、一度車で行ってみることにした。駐車場の様子はわからないけど、朝早く行けば大丈夫だろう、ということで、朝7時頃に出て会社に向かった。


会社の駐車場も地下。中はがらんとしていてどこでも止め放題だが、出やすいところを選んで駐車。しかし、どこからオフィスに上がるかが全く分からない。


しばらく迷ってやっとのことで入り口を見つけた。そこには大きなサインが。


この駐車場の無料駐車期間は今月で終了します。来月から止めたい人は1か月150ユーロ(24000円くらい)を支払うこと。給与から天引きできます。


なんだと?それは高すぎないかい?確かに車、楽だけど、バスでくればタダだし。


ということで仮住まいからは毎日バスとトラムで通うことに。


新しい家からは、トラムのみで通えるから、ずっと楽。トラム様様。ということで、車での通勤はあえなく1日で終了したのでした。

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