第11話 まさかの接触事故。警察は?

私、結構いけてるじゃん。


1人で毎週末、駐車場からの出し入れや運転の練習をしたら、そんな風に思えるようになった。右側通行にも、道路標識にも、それからフランスのナンバープレートの車にはあおられることが多いというようなことにも慣れて、少し、いい気分になった。


そんなある金曜日の夕方。なぜか、どうしてもショッピングに行きたくなった。歩けば15分程度の距離に、価格が統一されていないダイソーのような店があり、ここが結構面白いのだ。なんとなく、必要もないのに急に行こうと決めたのだった。


歩く、って言っても雨だしな。


ということで、車で行くことに決めた。地下駐車場からでて、2車線を越えて左折。金曜の夕方ということもあり、道は混んでいた。左からの車を確認し、右車線に入ったところで、カツン、という軽い衝撃があった。


あ、私右側確認してない!!!右側から来た車と私のミニが接触した瞬間だった。


日本ではゴールド免許だったし、無事故、無違反だったのに。ルクセンブルグに来て1週間で接触事故ってどうよ...


とりあえず車を寄せ、相手と話すことに。


相手はフランス人の若いカップルだった。これまでフランスナンバーの車にさんざんあおられる経験をした私は最初から構えていたが、思いのほか相手も冷静で、かつ英語が話せるのが不幸中の幸いだった。


事故にあったら、必ず警察に来てもらい、正式に調書を残してね、とレンタカーを借りるときに言われたことを思い出し、そのカップルに電話してもらった。


ところが。


警察が、忙しすぎてこられないという。そんな誰もケガしてないことで、金曜日の午後に電話してくるな、と言われたらしい。あとで知ったが、こんなことは日常茶飯事で、警察が来ることのほうが珍しいらしい。ルクセンブルグあるあるだ。


曜日とか、事故に関係ないでしょ??と一人でツッコミを入れてはみたものの、カップルは慣れているらしい。保険のフォームに書き入れてから、連絡先を聞いて別れることに。


ここで教訓。


パスポートは忘れることなかれ。とにかく身分証明にはパスポートが一番。

おごれることなかれ。運転って、簡単には慣れない。

慌てることなかれ。恥ずかしながら若干パニクってしまった私は、手あたり次第いろんな電話番号に電話したが、そもそも電話に誰もでない。日本ではありえないことが起こることを常に想定しておくべきだと痛感したエピソードでした。




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