第8話 ルクセンブルグ、2日目

今日は2日目。時差ボケもなかったし、スーツケースから荷物は出したし、これでやっと少し落ち着いた。


今日から3日間の間に、大きなミッションが二つある。まずは役所で「到着届け出」を提出し、承認印をもらう。次に、健康診断を受け、証明書をもらう。


役所では、自分が必要なサービスを選択し、整理番号をもらい、処理してもらうことになっている。日本の区役所と同じ感じだ。ただし、ルクセンブルグの役所では、英語、フランス語、ドイツ語の3か国語の表記から選べるようになっている。日本に住んでいる外国人は文字が読めなかったら大変だろうな。


さて、役所の申請はすんなりと終わり、健康診断へ。


すでに予約してあったためスムーズかと思いきや、まず、入り口が見つからない。こちらでは、クリニックなどは一般の一軒家に入っていることも多く、入り口ではベルを鳴らして中から開けてもらう仕組みになっている。やっと見つかったと思ったら、ドアが開かない。ドアを押しても、引いても開かず、何度もベルを鳴らしてやっと受付の人が中から出てきて開けてもらった。


受付の人はにこりともしない。これも普通のことで、求めるだけむだだとわかってはいてもいつも少しだけがっかりする。まあ、英語で話してくれるだけよしとするか。


ルクセンブルグで健康診断といえばさぞ近代的な機械を使うのではないかと思っていたが、予想に反して何もない診察室だった。


先生と聴診器。ベッドとベッドに乗るための踏み台。小さいデスク。診察室にあるのはこれだけだった。


えーと、これ正式な健康診断として採用されるんでしょうか。


先生曰く、もちろん!さあ、確認しましょう。ということで、一通り問診した後には先生の掛け声とともにラジオ体操のような動きを確認される。さあ、手を前に出して、後ろに振って、まっすぐ見て、片足で立って、台に乗って、下りて。はい、異常なし!


え、ほんとですか、これって入国の審査の一環ですよね??


でも先生がよい、と言っているのだから、よいのだろう。さあ、終わりましたよ。カードで払ってね、と診察室でカード決済。ここまで受付から30分。素晴らしく効率がよい。


2日目のミッションは無事終えることができた。

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