第6話 いざ出陣ールクセンブルグに向けて片道切符で
日本での手続きをすべて終え、いよいよ9月に出国の日を迎えた。4月から手続き初めて、いろいろ終わらないことも多くて、結局ずいぶん時間がたってしまった。
そして出国する日。これまで何度も通った羽田空港の国際線ターミナルだけれど、これまで片道切符だけで通ったことは一度もない。またすぐ帰ってくるから見送りとか来ないで、と断ったものの、私、ほんとに一人で旅立つのね...と少しだけセンチメンタルな気分に。我ながら昭和っぽいな。
しかしそんなことよりも、日本出国前にもう一度ターミナルを見渡して、思い残すことはないか考えたほうがよいのではないか。マツキヨ、ラーメン、すし、ひよこサブレ...ランダムなリストだけどどれも好きなものばかり。
え、どうしよう。ラーメン、すし、さすがに両方は無理だから、すしかな...でも鮮度が微妙か。日本のビールやお酒だって飲んでおくべきでしょう。
結局、ラーメンは泣く泣くあきらめ、お寿司居酒屋みたいな店を見つけ、すしとお酒でディナー。こんなことだったら、駅前のラーメンをもっと食べておくべきだった。
マツキヨ。コンビニのようで薬がたくさん売っていて、行くたびに必要ないものを買ってしまう店。あれ、薬って十分持ってたっけ?すぐ風邪ひいたらやばいよな、などといろいろ考えが浮かび、某外国人並みの爆買い。そしてまさかのひよこサブレの買い忘れに飛行機に乗ってから気づいた。
14時間後、ドイツ、フランクフルトに到着。長かったなぁ。ドイツといえばヴァイツェンビールとソーセージ、プレッツェルとかおいしいもの勢ぞろい。搭乗時刻を横目で確認しつつ、ゆっくりご飯を食べてからターミナルへ。
そしたらなんと。目の前で飛行機がウィングから離れていくではないか。何、なんで?搭乗時刻って今じゃないの、と係員に詰め寄ってみたが、それね、出発時刻でしょ、と一蹴された。スーツケースもおろしておいたから次のフライト自分で探して、と言われてあぜん。
私、勘違いしたんだ。よし。こうなったら自分で何とかするさ。
交渉して運よく次のフライトに乗れることに。全く、記念すべき日なのになんという失敗。人生で初めて飛行機乗り遅れがまさかこの日とは。これからどうなることやら。
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