情報をお持ちの方は
友人から聞いた話です。
その友人の住んでいる地域は街灯が少ないや道が狭いなどの少し生活に不便な部分があるため
事故のほとんどが当人同士によって解決されるのですが、中には事故が起きたのにどこかへと行ってしまう轢き逃げなどの場合もあり、その場合は情報提供を求める看板が設置され、友人によると仕事からの帰路にもたまに設置されている程です。
そんなある日、友人が仕事を終えた後の晩酌を楽しんでいると『プァーーー』という音が響いてきたのです。
クラクションを鳴らしている車が近いのか家の中でもうるさかったらしく、
友人によると近所の道が狭いで有名な丁字路で自転車が車にぶつかって逃走したらしく、翌日には、その道に情報提供の看板が設置されたそうです。
ここまでは単なる事故の瞬間をみた話で、横で聞いてる私もどこが怪談なのかわからず、どこか見落としているのかとも思いました。しかし、友人の話には続きがあり、動画を撮っていたのです。
最初は面白半分で撮っていたらしいのですが、少年がぶつけた自転車を起こして逃走したので少年をスマホで追い、ズームして顔もわかる程に少年をカメラに収めることに成功したらしいのです。
その時、ふと私は思いました。
なんで、逃げた犯人を映像に収めたのにもかかわらず、翌日に情報提供の看板があるのだろうと。看板があるということは逃げた少年がわからないということ。
私は友人に問いました。
「ん?なんで看板があるの?○○(友人)が映像撮ってましたって情報提供してたら看板ないよね?情報提供してないの?」
友人は答えました。
「お前、こういうの信じる派だよな。実は動画撮ってたって言おうと思ってたんだよ。だけど、見せる前に動画を確認したらさ、逃げてる子、自転車でな?その子が街灯の明かりの下を通った瞬間を撮ったんだよ。けど、その子の後ろにさ、いるんだよ。」
「いるって?」
「わからない。けど、その逃げてる子と比べたら、明らかに肌が白くて裸足の子が俺の方を見てんだよ。」
「だから、情報提供しなかったの?」
「そんな理由で言うのをやめたことおかしいって思ってんだろ。わかってるよ。けど、それを見つけてから二階建てのアパートの二階に住んでんのに上から足音が聴こえ始めたらお前も考えが変わるよ。」
「そっか。ちなみに動画は?見れる?」
「ないよ、怖くて消したから。」
そこから、友人と別の話題で盛り上がりました。あんな話をした後で、少しぎこちない部分もありましたが楽しい時間をすごせました。そして別れる時、友人から
「あっ、そうだ。今日話した怪談は嘘だから、良い作り話だったろ?じゃあね。」
と言われました。
これで友人の話は終わりです。
ですが、私はどこか腑に落ちない部分があります。
友人は動画を撮ってから確認して見つけるまでは心霊現象が起きてなかったのです。
つまり、意識したり認識するのはダメなのかもしれません。そうすると、私に話すため意識したくなくても意識せざるを得なかったはずです。
そうすると、作り話なのに話した後もぎこちなかった友人には何が見えてたんでしょうか。
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