番外編 ヤンデレ聖女、酔いどれ勇者に屈服す

☆2000感謝SSです。

なぜ2000は出すのに1000はやらなかったのかって?

普通に忘れてました……

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜入学前の宿にて〜


「アランくん!お酒飲みませんか?先ほどお義父さまから良いお酒が送られてきたんです!」


「お酒?」


今日の鍛錬を終えシャワーを浴びてさっぱりしていた僕はシャーロットに話しかけられる。

確かにシャーロットの手には世間をあまり知らない僕ですら聞いたことがあるような有名な店の名前の入った瓶が握られている。

中身はワインのようだ。


「どうですか?アランくんがシャワーを浴びている間に外で美味しそうなおつまみも買ってきました!」


シャーロットが目を輝かせ別の手に持っていたおつまみを見せる。

こちらは魚の干物のようなものだった。


「シャーロットってそんなにお酒好きなの?ちょっと意外かも」


「お酒は普段あまり飲みませんし好き、というわけでもないです。でもせっかくならアランくんと飲みたいと思いましてお義父さまに頼んだんです」


「な、なるほど」


それで本当に送ってくれるんだな。

でも確かに原作でもローレンス公爵夫妻って勉強やレッスン以外はとことん甘い人たちだったっけ。


「でも僕ってあんまりお酒飲んだことないんだよね」


「鍛錬で忙しかったからですか?」


「ううん。ヘイマンさんが一回山にお酒を持ってきてくれて飲んだことがあるんだけどそれからなぜか禁止された」


あの日は気づいたら朝になっててげっそりしたヘイマンさんにもう酒は絶対に飲むなって禁止されたんだよね。

めちゃくちゃ美味しいって感じでもなかったから特にその時は何も思わなかったけど……

今思えばなんでお酒を禁止されたんだろう……?


「どうしますか?もしお酒が苦手なようなら無理しなくても構いませんけど……」


僕はそう言われ考える。

せっかくシャーロットが誘ってくれたわけだし飲みたいという気持ちはある。

ただなにか問題があるからヘイマンさんは僕に酒を禁止したわけだ。

なんとも悩ましい。


「うーん……ヘイマンさんに止められたのが引っかかるんだよなぁ……」


「もし何かあったら私がなんとかしますよ。アルコール分解の魔法もありますから」


それならなんとかなるかも……?

シャーロットは強いから僕が傷つけてしまう前に魔法をかけられるだろうし大丈夫な気がしてきた。


「それじゃあ飲もうかな」


「……!はいっ!一緒に飲みましょう!」


シャーロットは満面の笑顔の花を咲かせる。

それだけで了承して良かったと思ってしまうのは惚れた弱みなんだろうか。


「それじゃあ早速飲もうか」


「そうですね!では準備します!」


シャーロットは機嫌良さげに台所に行きお気に入りのペアマグカップを持ってきた。

子供のときにお互いの家によく遊びに行ってたからペアマグカップを親が買っていたのだ。

それを送ってもらったらしい。

子供のときのやつだから少しボロいところはあるけど一応まだ使える。

だってシャーロットがめちゃくちゃ魔法かけてたもん。

もはや一生使えるんじゃないかな?


「それでは注ぎますね」


「ありがとう。僕はおつまみを皿に出しておくよ」


「ありがとうございます」


僕はおつまみを出して席に座る。

シャーロットも注ぎ終わったようで僕のに座った。


「今日はくっついていたい気分だったので……いいですか……?」


「う、うん……大丈夫だよ」


シャーロットから甘くいい匂いがしてくる。

シャーロットとそういうことをしたと言っても全然慣れない。

大きく心臓が跳ねた。


「それでは……乾杯」


「か、乾杯」


軽くカップをカチンと合わせお酒を飲む。

甘い葡萄の香りが鼻を抜ける。


「あ、美味しい……」


「そうですね……お義父さまに感謝しなくては……」


そう言ってシャーロットが肩に頭を乗せてくる。

お酒を飲んだことも相まってかすごく体が熱くなった。


〜3分後〜


「あ、アランくん?もしかしなくても酔ってますか……?」


「よってるわけないだろぉ……」


「い、いや絶対に酔ってますって!もうこれくらいにしましょう……?」


「せっかく楽しくなってきたんだぞ……まだ終わるのは早い……」


すごく気分が乗ってきている。

ここでやめてしまうなんてあまりにも勿体ない。


「あ、あの……酔い覚ましの魔法かけますよ……?流石にもう……」


「せっかく良い感じになってきたんだろぉ……酔い覚ましなんていらねえよ」


「へ?ひゃっ!?」


僕はシャーロットをお姫様抱っこの形で抱き上げる。

そしてベッドまで移動してそっと降ろした。


「な、何を……んっ……!?」


シャーロットの唇を重ねて舌を入れる。

微かに葡萄の香りが残っていた口を蹂躙する。


「くちゅ……んっ……ぷはぁ……い、いきなりどうしたんですか?」


「楽しい時間を邪魔しようとする悪い子はお仕置きだ」


「で、でも……──!?」


何やら言おうとしていたから僕はもう一度口を塞ぐ。

数秒して離れたときにはシャーロットの顔は蕩け完全にできあがっていた。


「お前はのものだ。その意味はわかるよな?」


「あ、アランくん!?その口調は……」


「嫌か?」


「い、嫌じゃないです……その……荒々しいのも好きです……」


「じゃあ今からお仕置きするけど文句はないね?」


「〜〜っ!はい……お願いします……」


そしてシャーロットは思い知ることになった。

なぜヘイマンがアランに酒を禁じたのか。

長い長い夜が始まった──


◇◆◇


「う……頭痛い……」


朝、陽の光や頭の頭痛と共に目が覚める。

なぜこんなことになっているのかと昨日のことを思い出そうとするが全然記憶に無い。


「め、目が覚めましたか?」


「え?うん。えっと……どうしたの?」


シャーロットはかなり疲れた様子だった。

でも記憶が無いせいでなぜシャーロットがこんなことになっているのか全然心当たりがない。


「記憶が無いんですね……本当に昨日はすごかったんですよ?終わった頃には足が子鹿みたいになってました……」


「え、えーっと……どういうこと?」


その後、事態が全く飲み込めないまま僕は外での飲酒を禁止にされた。

酒が飲みたいならシャーロットと家で二人きりで夜の時限定なんだって。

……なんでこんな条件なの?


─────────────────────────

お仕置きするよ?→お願いします ……どんな会話やねん。


痕跡はシャーロットが魔法で消していました。

なのでアランは事態を飲み込めていないです。

そしてヘイマンさんに酒を禁止された理由は酒癖が悪かったからで決してBL展開にはなっていません。


今回は『普段温厚なアランが酒飲んでオラオラ系になって、シャーロットを屈服させる外伝』という要望を頂いてそれを実現!

他にもこんなアラシャルが見たい!っていう要望をくだされば感謝SSや限定近況ノートにて書くかもしれません。

要望お待ちしてます!

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