第10話 宮波 美緒を部屋に泊める
その後、無事に2人で薫の住んでいる部屋へと帰宅した。
現在美緒はお風呂に入っている。
最初は遠慮していた美緒だったが、薫が勧めると入浴をしないまま泊まるのも逆に悪いと思ったのか、最終的にシャワーだけ貸してほしいと言った。
流石に彼女は着替えまで持ち歩いていなかったので、下着はコンビニに入ったとき購入してきたのだった。服は、薫が普段ほとんど使っていない部屋着用のパーカーとズボンを貸すことになったのだが……。
「薫くん、お風呂ありがと~」
「うん、温まれた……? って、ちょっ、宮波さん!?」
なぜか美緒はズボンをはいておらず、パーカーだけという格好だった。美緒が着るにはパーカーが大きいので、長居裾で下着は隠れているが、太ももは丸出しになっている。
「あー、ズボンはサイズが合わなかったみたいで落ちてきちゃうんだよね。あと私には長かったみたいで、裾引きずっちゃっても悪いからさ」
薫は比較的スタイルがいい方で、そこまでガタイがいいというわけでもない。しかしやはり男性と女性では違う部分もあるだろうし、美緒がスタイルがよすぎるというのもあるだろう。
「そ、そっか……ごめんね。何か別の探そっか?」
「ううん、悪いから。パーカーの裾が長いし、今日暑いからこれで大丈夫!」
美緒は大丈夫と言うが、薫としては気が気ではなかった。確かにパーカーで下着やお尻は隠れているが……。
スラっとした色白の長い脚、そして肉付きのいい豊満な太もも。確かに美緒は普段から丈の短いショートパンツをはいていたり、パーカーをワンピース風に着ていることも多いが……。
(部屋で2人きりの状況でこれは刺激が強すぎる……)
しかもお風呂から上がったばかりだからか、太ももにはいつも以上に瑞々しさを感じる。
「えと、そろそろご飯食べる? コンビニで買ってきたもの温めといたよ」
「わっ、ありがと~」
ともかく、なるべくそのことは意識しないようにと薫は話題を切り替えるのだが……美緒は薫のすぐ隣に座ってくるためどうしても意識をそらすのは難しい。
彼女はコンビニでも、ずっと薫のすぐ近くから離れなかった。あのような恐い思いをしたので当然だろう。だから今も薫はなにも言わず、当然すぐ隣に座ってくる美緒を見守ろうとするのだが……。
お互いの体が触れ合ってしまうくらいの距離なので、肌に伝わる彼女の体温。今日は同じシャンプーを使っているはずなのに、漂ってくる甘く心地よい香り。
座ったことでパーカーはまくれ上がり、全開にさらけ出された太ももは薫の足に触れてくるし、パーカーのサイズが大きいせいで時折胸元が覗いてしまう。
(~~~!!!)
そんな天然の誘惑に抗いながら、薫は美緒と2人きりの長い夜を過ごすことになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。