まずは短編から始めよう〜三題噺〜

 みなさんは小説家を書くときのルールや自信を持つことを学びましたね。次はいよいよ実践です。小説を書きましょう。



 これは誰にでも言えることですが、ショートショートもしくは短編から始めましょう。「自分にはこんな素晴らしいアイデアがある。よし、長編を書くぞ」という考えはやめましょう。小説は書き上げないと、実力がつきません。長編はエタる可能性が高いので、避けましょう。


※エタる……小説を書き出したはいいけれど、未完のまま更新や連載が終わること




 では、短編の題材・テーマはどうするか。まずは自分のアイデアがあればそれを使いましょう。「短編で一回使ったら、長編で同じネタが使えないじゃないか」と思われるかもしれません。ここでいうアイデアとは小さいネタと考えてください。



 例えば小さいネタを地球と考えましょう。その場合、長編は宇宙と同じです。宇宙にとって地球が小さいように、長編にとって小さいネタを使いましょう。それでも不安な人のために言うならば、違う小説であれば少しのネタ被りは大丈夫です。



「よし、短編を書こう!」と思ったはいいけれど、筆が進まない方が多いと思います。短編あるいはショートショートにはオチがないといけないという考えからです。


 ショートショートといえば星新一でしょう。面白い発想に素晴らしいオチ。しかし、最初からそれを目指すのは無謀です。


 初めは日記に近いようなものでいいのです。構える必要はありません。



 自分の小ネタを使っても必ず限界がやってきます。そんな時におすすめなのが「三題噺さんだいばなし」です。三題噺とは三つのお題(キーワード)を必ず使って小説を書くことです。もともとは落語の言葉ですが、小説でも使われるようになりました。


 三題噺ですが、どのようにお題を決めるかが問題です。目の前に鉛筆、消しゴム、ノートがあるからといって、それをお題にすれば「小説家を目指すアマチュア」という話になってしまいます。三題噺の目的は、お題に沿って書くと同時に、想像力を養うことです。



 例えばお題が休日、時間、無意識ならどうでしょうか。これなら「でも仕事の終業はまだか? とに考えてしまう」など話は無限に広がります。



 お題はネットに三題噺スロットがあるので、それを使いましょう。2024年4月8日時点では、自主企画に三題噺を書きましょうという企画があります。企画主の方は毎週違うお題を出してくださるので、それに参加するのもありです。むしろ、こちらの方が他の人はどんな風にキーワードを使っているか読むことで勉強になります。


 三題噺に限らず、自主企画で「一万文字以内の恋愛小説募集」とあれば、それに合わせて小説を書くのもありでしょう。自分が異世界ファンタジーが合うと思っていても、意外と他のジャンルの方が書きやすい場合もあります。何事もトライ&エラーです。失敗したのなら、なぜ失敗したのかを分析しましょう。書いて終わり、はやめましょう。



 今回のまとめとしては「自分のネタを使うのが嫌なときは、三題噺でショートショートないしは短編を書く」となります。量をこなすと次第にオチが考えられるようになって楽しくなります。まずは質(オチ)より量を意識しましょう。

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