第6話 マフィアの話

40年前、ボストンに滞在していた頃、ひょんなことから、ある「マフィア」の方(イタリアからの移民)に話を聞く機会がありした。

(「 → 」は、私の注)

○ その人が言うには「マフィアとかコーザノストラ」という言葉は、テレビや映画といったマスコミが勝手に作ったもの。

○ アメリカという国は、世界中(欧州)から来たたくさんの移民によって成り立っている。 → 移民という輸血なくしては、国家・社会の機能がストップしてしまう。

○ アメリカの警察とは、国家(政府や役人)と銀行(金持ち)を守るための暴力組織であり、移民の我々を守ってくれない。

  → 日本の警察も同じですね。大正時代に生活が困窮した民衆による「米騒動」でも、警察は米を買い占めた金持ち商店や銀行を守りました。

○ だから、アメリカでは移民であるイタリア人もフランス人もロシア人もアイルランド人も、警察のような暴力組織を作って自分たちで自分たちを守ってきた。

 → 日本でも、在日韓国・朝鮮人を守るために、戦後、○○○会という互助組合・政治団体が誕生した。現在、日本に住むクルド人たちも「自分たちを守る組織」を作りつつあるのでしょう。「日本人をなんでもそうかいと、物わかりのいい人間にしよう会」なんて。

○ ところが、アメリカにおける日本人移民だけは「日本人マフィア」を作らない。

ここで、もう一人の若いイタリア系アメリカ人が言います。

○ 作れないんだよ。アメリカ政府が「日本のヤクザ」を恐れているから絶対に作らせようとしない。

日本のヤクザは頭が良いし、金儲けの為の警察屋各国の移民自身が作った暴力装置とちがい、第2次世界大戦のカミカゼ(神風特別攻撃隊)のように、ピュアな心(一殺多生、自分が死んで他を生かす ?)を持っているからだ。

カネや酒や女で言うことを聞かない奴ほど、(政府にとって)扱いにくい者はいない。

 → 日本のヤクザの「任侠」という性質について、彼らイタリア人(移民)はどういう訳かよく知っており、一目置いているようでした。

********************************

なぜ、こんな話の流れになったかというと、それは;

米映画「Once Upon a Time in America」 1984年について、私が質問したところから、この話が始まったのです。

続く

2024年4月3日

V.3.1

平栗雅人

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「まむしの兄弟 2人合わせて前科30犯」 V.3.1 @MasatoHiraguri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る