道連れ・行先不明

 サボっていた墓参りを済ませ帰ろうと車に乗り込んだところで助手席に見知らぬ女が座っていて、鍵をかけ忘れたわけもないので対処に戸惑っているとそいつが勝手にカーナビを弄り始め行ったこともない山奥を目的地に設定したのに驚き焦って車を出してしまったがそれが良い選択ではなかったことに思い至ったのも束の間、家とは反対方向にハンドルを向けていることに気づいて戻ろうにもUターンができそうにもない山道に入ってしまい、当の女はじっとこちらを見ているだけで何もしないが、思うように動かない体で事故を起こさないようにするには従うしかないのだろうと大人しくハンドルに手を添えるままする。

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