下心はありません

 一人暮らしをしているアパートの壁に小さな穴が開いていることに気づき、覗いてみると当然隣に住むそれなりに仲の良いおじさんの部屋が見えるのだが、ある夜ふと覗くとおじさんと思しき黒い服を着た足の後ろを赤いスカートを履いた生白い足がついて回るのが見えて、見間違いかと思いその後も思い出すたびに覗いても赤いスカートは後を追っていて、おじさんに彼女やら女兄弟が居ないこと、部屋に誰も呼んだことがないことを聞きだしたところでおじさんがその足に気づいていないことを知り、言おうにも知らないなら知らないままで居るのが良いかとか、そもそも俺が結構な頻度で覗いているのがストーカーじみていることに気づき躊躇っている。

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