不動
僕とギアが動き出す。
それに合わせて相手の化け物も動き出した。
『おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお』
化け物はその体を震わせると共に大量の触手を伸ばし始める。
「何あれ、きもっ」
「うへぇ」
それを前にする僕とギアは表情を歪ませながらも冷静に対応。
僕は魔法銃で、ギアは魔法で、それぞれの方法を使って触手を一つ一つ破壊していく。
「とりあえずドーン」
そして、僕は同時に数万もの魔法を発動。
化け物の全体を覆うような魔法で完全に呑み込んでしまう。
『おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおっ!』
だが、所詮は劣等紋の魔法。
五万と数を打ち込んでも、化け物の薄皮を撫でることくらいしかできない。
「よろぉー」
しかし、そもそもとして僕の目的は攻撃ではなく目隠しである。
「任せて」
僕の魔法によって目隠しされた形になった化け物を狙ってギアが魔法を発動。
自分のとは違って圧倒的な威力による魔法が発動され、世界を覆うような炎の龍がこの場を支配し、化け物を覆い隠して燃やしつくしにかかっていく。
『あぁぁぁぁぁああああああああああ』
炎の龍に覆われる化け物の体が容赦なく燃やされていく。
「威力えぐぅ」
僕はそんな様子を見ながら手にある魔法銃を連射して化け物を打ち抜いていく。
「……でも、効いていないな」
「……かもね」
ギアの繰り出す炎の龍も、僕の魔法銃による攻撃も、あまり化け物の方へとダメージになっていないようだった。
「……僕が過去に戦っていた時もこんな感じだったんだよなぁ。あまりダメージ入らなかったんだよ、どれだけ攻撃を与えたとしても」
「……それは、本当?」
「こんなところで嘘つくわけないよ」
僕はギアの言葉に対して、淡々と答えていく。
「それじゃあ……一生懸命攻撃して何とか相手の情報を集めていく感じになるかな?」
「多分ね」
「長くなりそう」
「そうだね、長くなりそう」
ギアと一切中身のない会話を行う僕は彼女と共に、化け物へと攻撃を加えていくのだった。
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