三人組決め

 三人組。

 これが二人組であればすぐに終わるわけではあるが……三人になると急にその難易度が跳ねあがってしまう。


「どうしよっかぁ」


「どうしましょうか」


 担任の先生が今すぐに三人組を作るように声をかけると共にとりあえず、ソフィアと二人組を組んだ僕は彼女と共に首をかしげる。

 基本的に僕はソフィアと行動している。

 だが、それ以上の人と関わりあうことはない。

 三人組を作れと言われても難しい。


「ちょっと担任の先生に直談判してこようかな。二人でもよいかって。担任の先生だって自分たち二人の境遇はわかっているでしょ。配慮をお願いしたいな」


「あー、でしょうか?レミヤ先生は融通の利かない人ですし……危険です、の一言で押し切られてしまいそうな気もします」


「そうなったら担任の先生をボコそう。こういう時はやっぱり暴力が解決すると思うんだよね。先生をボコボコに出来るだけの強さを見せれば流石に向こうも納得するでしょ」


「いや……流石にそれは短気にも程があるように思いますが」


「そぉ?やっぱり下層の人間を支配するのは暴力だからね。結局これが一番だと思う」


「でも、ここは私たちが住むような世界とは違う上層です」


「ほな、だめかぁ」


「多分ダメです」


 ソフィアと二人。

 クラスの隅の方で色々と話し合っていく。


「んあっ?」


 そんな僕たちの前に、ギアの方が立ちふさがってくる。


「……何?」


「一緒に組もう」


「いや、流石に問題だとおもうんだけど」


 男爵と平民のパーティーに公爵令嬢が混ざってくるのは流石にやばい。


「ほら、いっぱいいるでしょ?君の周りには友達が」


 こちらの方を見つめている多くのクラスメートたちを指し示しながら僕は彼女に告げる。

 これ以上に嫌がらせの方が苛烈になっても正直困る。

 めちゃくちゃ困ると言ってもいい。

 暴力の方に出てこられると色々と問題が出てくる……叩きのめすこともできるけど流石にそれをやるのは忍びないからなぁ。


「一緒に組もう」


「いや……その立場ぁ」


「一緒に組もう。ソフィアちゃんの方も一緒でいい」


「立場的な問題があると思うんだけど」


「……じゃあ、公爵家としての権力を使えば頷いてくれる?私は、使うよ?」


「あっ、はい」


「ひぇぇぇ」


 そこまで言われて何か出来るわけがない。


「わかったよ、一緒に組もうか。ありがとうね。ちょうど、三人目が決まらなくて困っていたところだったんだよ。ギアがいてくれて助かったよ」


 僕は彼女の言葉へと素直に頷くのであった。

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