トルネコの大冒険 不思議のダンジョン(チュンソフト・1993年)
プレイ時期:1995年ごろ
ソフト入手:中古で購入
クリア状況:「証明の巻物」持ち帰り
おすすめ度:★★★★★
*
当時はあまり惹かれず、動いているところを見たのは友人宅が初めてだったと思う。ダンジョンだけのRPGなんて、最初のうちは何が面白いのかわからなかった(しかもドラクエ本編と同じくらいのフルプライスだったし)。そもそもアクションRPGだと勘違いして、システムすらわかっていなかった(実際はアクションというかリアルタイム要素は皆無なわけだが)。
後に、かなり安くなったところで中古購入。ダンジョンを出るたびにキャラのレベルほかステータスはリセットされるが、プレイヤーが成長するという要素に納得。本作は最初は倉庫すら使えずに、持ち帰れるのは店舗拡張の資金のみ。これを溜めることで店が大きくなり、人が増えて情報が集まり、倉庫が建設されてアイテムの持ち越しができるようになっていく。
また、本作はスーパーファミコンのボタン全てをフルに活用しているのにも感心した。持て余し気味のゲームが多かったLRボタンのみならず、スタート・セレクトボタンも頻繁に使用する操作体系はかなり独特だが、これは以降のシリーズでもスタンダードになった。インターフェイスも快適で、操作していて気持ちがいい。
そんなわけで段階を踏んで通常のダンジョンはクリアしたのだが、次に待ち受ける「もっと不思議のダンジョン」では再び倉庫が使えなくなる。さらに杖や指輪のみならず、消耗品の草や巻物まで未識別状態になる(さすがに使った時点で識別されるが)。攻略本インタビューによると最初に作ったのがこちらのようで、後で知ることになるが(「ローグライク」の用語の元である)『Rogue』に近い仕様になっている。
こちらのほうは本気で苦戦した。攻略本を買ったのもこれ以降だったはず。本編をすでにクリアしていても、攻略本から得られる知識は新鮮だった。以降、何度も失敗しながらもついに「奇妙な箱」を入手! さらにフロアの往復を繰り返して装備を強化し、99階まで潜って「最後の巻物」を手に入れた。実際は「もっと不思議」に限らず普通のダンジョンにも出現するらしいのだが。
本作は爆弾岩がとにかく厄介で、うっかり爆発させると半径2マスにわたる大爆発を引き起こしてトルネコのHPを1にしてくる。範囲内に別の爆弾岩がいれば誘爆し、それも食らってしまうと即死である。いくら強化してもこいつのせいで即死の危険性が常にある。特定のフロアにしか出現しない(一定階層以下には出ない)のが救いだが。
それにめげずに、攻略本で「最後の謎」と言われた要素を探し求めて1階ごとにフル探索し、当時非公開だった「証明の巻物」も入手! とっくにキャンペーンは終わっていたと思うのだが、嬉しかったので写真を撮ってチュンソフトに送った(そうするようにアイテムの説明欄に書いてあるのだ)。
最初は期待していなかったゲームだったが、とうとう最後までやり尽くした。ダンジョンと拠点だけしか存在しなくてもちゃんとゲームとして成り立っているというのを身をもって体感した。
今となっては不思議のダンジョンの一発クリアも難しくなくなったが、それをやると店が一気に最終段階まで成長してしまう(つまり、資金を稼いで拡張するという要素そのものが、クリアできないプレイヤーに対する仮の目標設定に過ぎないわけだ)。なので、敢えてゆっくりプレイして店の発展を段階的に見守り、住人の話を聞いてみるほうが明らかに楽しめる。
不思議のダンジョンはシリーズが進むにつれてインフレ傾向があるので、本作のゆったりした雰囲気はローグライク入門にはうってつけ。移植や配信もされていないので、スーファミ実機でプレイする意義が特に高いソフトでもある。
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