　プレイ時期：1993年

　ソフト入手：プレゼントに買ってもらう

　クリア状況：全ゲームで全面クリア

　おすすめ度：★★★★

　今でこそゲームソフトのリメイクというのは当たり前になったが、本作が発表されたときは非常に珍しいことであった。収録されているのはスーパーマリオシリーズのうち1・2・3・USA。このうち、『1』と『3』はすでにクリアしていたのだが、『2』と『USA』に至ってはプレイしたことすらなかった（USAの原型である『夢工場ドキドキパニック』も含めて）。

　特に『2』は、当時すでに幻になりかけていたディスクシステムでしか遊べなかったので相当の目玉だったはずだ。私が本作を欲しいと思った動機の半分くらいは、今まで存在くらいしか知らなかった『2』がいよいよプレイできる！　ということである。

　ファミコンでは出来なかったセーブも可能で、キャラや背景も大幅に描き込まれて美しくなった。『1』と『2』で、土管に潜るたびにVサインをするマリオはちょっとどうかと思ったのだが（ボーナスステージに限らないのに）。

　珍しく、主体的に「欲しい」とねだったソフトだった気がする。まずは1と3を、ワープを使わずに通しでプレイしてみた。セーブ機能のおかげで今まではできなかった遊び方にも気軽に挑戦できる。『3』に関しては同じワールドを周回してアイテムを集めることだってできる。残機も保存されるのも嬉しい。

　バグに由来する裏技もいくつか残っている。壁登りや壁すり抜けのように『2』で仕様化されたものはもちろん、「踏んだキラーが空中で止まる」「地蔵状態でハンマースーツを取ると地蔵状態が永続化して土管から出られなくなる」など、不具合めいた挙動のいくつかもそのままである。音符ブロックのバグ（赤音符で上昇中に通常音符を下から叩くと空中でフリーズする）のように当時あまり知られていなかった不具合も再現されているので、プログラム自体を流用しているのかも知れない。

　一方で、『1』『2』でジャンプでブロックを壊した時に上方向に突き抜けるような動きが入るように、意図のよくわからない改変もある。『2』のアナザーワールド（A～Dワールド）の敵が『1』の裏面仕様になって強化されるのは意図的だと思うのだが（たしか9ワールドを経由するか否かの違いだっけか？）。

　『3』では、ファイアマリオ等でダメージを受けるとチビマリオではなくスーパーマリオになる。これは海外版の挙動らしいが、おかげで難易度が少し下がっている。また背景が描き込まれたせいで、8ワールドでゴールの境目がわからないという独特な演出が消えてしまったのは少しさみしい気がした。

　特に難易度の高い『2』は、特例でワールド単位ではなくコース単位（例えば他のゲームはワールド2でセーブしたら2-1からだが、『2』では2-2から等でも再開可能）となっている。前の面に戻って残機を稼いでくることも可能で、少しずつだが確実に進められた。頑張ってワールド9からアナザーワールドまでちゃんとクリアした。

　独特のシステムの『USA』は結構戸惑った。残機も稼ぎづらいので何度もゲームオーバーになったのだが、最終面が2コースしかないおかげでテンポよく再挑戦を繰り返してクリア。

　ゲーム単体で見れば間違いなくおすすめできる永久保存版とでも言えるものだが、あまりにもメジャーすぎるので『コレクション』自体も含めて移植は多く、人に勧めるのであれば敢えてスーファミで遊ぶ意義が必要になるソフトである。1000円程度で買えるので、本体があるなら買って損はないとは思うのだが。