スーパーマリオカート(任天堂・1992年)

 プレイ時期:1993年ごろ

 ソフト入手:中古で購入?

 クリア状況:覚えていない

 おすすめ度:★★★


 *


 これもマリオワールド同様、どこの家にもあった気がする(スーファミソフトでトップの売上!)ので自宅用に買ったのがどのタイミングだったのか覚えていない。スーファミのレースゲームとしては、まず『F-ZERO』があったのだが、そちらは硬派な雰囲気で敬遠していた人もマリオカートはやっていたと思う。


 『F-ZERO』が出たとき「コースを逆走することができる」というのが技術的な意味で驚かれたという話を聞いたことがある。従来のレースゲームにおける疑似3D表現とは異なり、コース上の自機が空間における座標としてしっかり定義されているからこそ可能ということのようだ。


 逆走行為はゲーム上なんのメリットもないのだが、マリオカートではバトルモードという、コースという概念すらもぶち壊して広大なエリアを自由に動けるモードが搭載された。レースゲームという枠を超えた斬新な試みで、レースのように純粋な実力が出るというよりはパーティゲーム的な要素が大きくて好きだった。


 順番は前後するが、そもそもライバル車に対して攻撃できるというのはメインのレースでも同様である。これも従来のゲームではライバル車は単なる障害物だったのだが、マリオカートでは相互に攻撃できる対象である。キノコやスター、甲羅といったアイテムもマリオシリーズならではで、マリオとレースを見た目だけでなくシステム的な部分でもしっかり融合させた名作だと言える。


 一方、タイムアタックモードではライバル車の妨害がない。ステージによってはギミックに妨害されることはあるのだが、アイテムも出現せず、基本的には好きなコースを選んで純粋に走るだけのモードである。今では当たり前だが、これも当時としては珍しかったはずである(F-ZEROでは一部コースのみの上にライバル車がいる)。アーケードゲームの延長ではない、家庭用ゲームに特化した作り方なのだろう。


 とはいえ、どちらかといえば自分で遊ぶよりも見ているほうが多かったような気がする。テレビ番組「スーパーマリオクラブ」でも毎週のように放送されていたのを思い出す。シリーズとして一番プレイしていたのは次回作である64版で、一度そちらをプレイしてしまうと3D表現力が雲泥の差である旧作には戻りづらくなってしまう。


 久しぶりにプレイして感じたことは、少なくともグランプリモードに関しては速さではなく安定した走りが最重視されているということ。堅実に走ればスピードが一番遅いキノピオでも一位は余裕。ドラフトすら使わずに減速コーナリングで十分だ。大事なのはいかにステージのギミックを避け、壁にぶつからずに正確に走るということである。CPは速度が遅いが、ステージギミックを無視できるという特権がある(このあたりは次回作以降で対等な扱いになっていくのだが)。


 マリオカートというシリーズは現役なので、より後年のゲーム機に慣れた人にとっては余計に物足りなく感じると思われる。ゲームとしては面白くてもスーファミ版にこだわる必要というのは特にないので、そういった意味ではあまりおすすめしづらいタイトルではある。

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