第18話
ひょんなことからレイ様と同じベッドで夜に二人きりになっているのだが…。
こんな夜遅くに部屋から出るのはたしかにリスクがある。ここに残るのは最適解かもしれない。では私がソファーに寝ることにしよう。
「それでは、私はソファーで寝ますので。」
レイ様の部屋はとても広く、入ってすぐに大きな部屋が一つある。その部屋からさらに扉を隔ててこの寝室につながっている。
ソファーのある部屋ならレイ様を邪魔することなく、部屋を出ることもなく一人で寝られそうだ。
「ソファーで寝るのか?だったらお前がこのベッドを使え。二日連続で寝不足は困るからな。」
レイ様はそう言ってベッドから出ようとした。
「お待ちください。レイ様はそちらで。私は床でも大丈夫ですので心配なさらず。」
そう言ってレイ様をとどめた。
「だから、お前はベッドで寝ろ。それは決定条件だ。命令だ。」
こんな理不尽な命令はないだろう…!私は黙ってベッドに腰を下ろした。
「でも、レイ様が…。」
よく考えたら、このベッドはとても大きい。キングサイズのさらに1.5倍くらいの大きさで、おとな3人くらい余裕で寝れそな広さだ。
私はレイ様から顔をそらして言った。
「どうしてもと言うなら私はベッドの右半分のさらに半分だけで構いません。レイ様は左をお使いください…。」
あああぁぁ!何を言っているんだ私!やっぱり忘れてください…!
しかし、レイ様は意外にも納得してくれた様子だった。
「いいのか?じゃあ、お言葉に甘えて。」
レイ様はそう言うと布団に戻った。
こうして二人で大きなベッドの右端と左端だけを使い、真ん中だけぽっかりと空いた不思議な状況で布団に入った。
お互い背中を向けていて、レイ様は窓の方を見ている。
たぶん起きているのに、レイ様は一切私に興味を示さなかった。
一言も声を発さずに、ゆっくりと息をしている。
美澄玲奈はともかく、ティアはけっこういい体をしている。
その辺の男だったらもうすでに身ぐるみを剝がされていると思うが、レイ様は一切その様子はなかった。
これじゃまるで、期待していた私のほうがエロガキみたいではないか。
自分に「落ち着け」と言い聞かせ、私は瞳を閉じた。
『二日連続で寝不足は困る』?
二日ともレイ様のせいだから!
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