11 おかあさん

 ドロップの被害者はドロップのお母さんで、死んでいなかったら今はx地にいる。ドロップはお母さんに会いたいと言っていた。でも、なんで会いたいんだろう? 会わないほうが良いに決まってるのに。


「飴の子大丈夫なの?」

「うーん……どうしよう。家に帰って休んだほうがいいと思うんだけど……」

「えぇー! もう帰っちゃうの! もうちょっとお話しようよー」

「……ごめんね。でもほら、こんな状況なんだし」


 ナンは手をバタバタさせながら僕の周りをぐるぐる回ってる。目回らないのかな。こっちがくらくらしそう……。ドロップはずっと蹲っていて声をかけていいのか分からない。いつもの感じと違うからどうすれば良いのか分からなくなる。僕も過去のこと考え過ぎたらこんなふうになってるのかな。……シロツメさん、僕の過去に何か関わってたりするのかな? なんで僕の過去なんか知りたいの? 本人に聞いてみたいけど怖いよ。


「なんか疲れちゃったー。 あれ、飴の子寝てるじゃん! 起きてよーお話しようよー」

「……え、ねてる、の?」

「飴の子ーおーい」


----------------------------------二分後


「……さん?」

「さんじゃなくてナンだよー」

「ほんとに寝てた……。どうしてわかったの?」

「え? 大体分かるよ!」

「……ご迷惑をおかけしてしまい、すみません」

「迷惑なんかかかってないよ。ドロップはもう大丈夫?」

「はい。大丈夫です。ありがとうございます」

「飴の子起きるの遅いよー久しぶりに会ったんだからもっと話したいことたくさんあるのにー!」

「うん、そうだね」

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