12 悔いなき青春

 ナンさんの話はどれもおもしろいものばかりだった。ナンさんが今までに出会った人たちの話。とても楽しそうに話していたけど、でもどこか悲しそうだった。途中で政治家の名前がでてきたこともあった。ナンさんは多分、x地を創った政府が作ったロボットなんだと思う。

 シロツメさんについて知ってることは少ないみたいだったけど、代わりに『シロツメさんと仲が良いっぽい人』が運営してる店を教えてくれた。その人はコルチカム。ドロップは名前だけ知ってるらしい。どんな店なのかは不明。ナンさんは「聞いてみたけど答えてくれなかったんだよねー……。なんでだろ?」と言っていた。紫掛かった犬の絵が目印の店で、店名は無いとのこと。正直それって本当に店なのか疑問に思う。


「ナンさん、今日はありがとう。また来るね」

「久しぶりにたくさんお話できて楽しかったよーヒユくん! 飴の子! いつでも来てねー!」

「またね、ナンさん」


 そして僕たちは一番地区に帰った。

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