6️⃣
鏡の中には白金色の髪をお下げの三つ編みに結った少女が、赤い洋服を身に纏い此方を見返していた。
肋骨のようなコルセットリボンの装飾のある赤いシャツの上に姫袖のゴスロリ風ボレロ、腹はスカートのコルセットを締めて腹部への防御壁とする。舞台の幕のように左右に布が纏められクリノリンが露出したゴスロリ風のフイッシュテールスカートも、糸のほつれ一つ無い。編み上げブーツの靴紐をもう一度きつく締めてから、マリアはコルセットのフリルに隠したベルトに武器がしっかりと収まっていることを確認する。
先頭から、カードフォルダ、太刀、ナイフの順に取り付けた武器達にも変わりは無さそうである。あの日作った刀、“
カードホルダーの中の魔神達も、マリアの意に沿うことをその小さな布箱の中に収まっていることで証明してくれていた。
「ありがとうございます。もう大丈夫です」
マリアは鏡の前を去り、そしてカードホルダーの中から呼び出したカードを一枚指で挟む。呼び出したカードの魔神は{
「“{不滅の盾}よ、
マリアは{
「ンだよ、このカード」
「アタシの友達、誰にも破ることの出来ない最強の盾。このカードがあれば絶対大丈夫。たとえアタシがくたばって賊がこのガゼボに到達したとしても、絶対にリーロンを守ってくれるよ」
そしてチュッと音を立て、リーロンの首筋にキスをする。アインがキャッと楽しそうに笑い、ラウドが驚いて前のめりになった。ツヴァイはおぉ〜と感心したようにしていて、リーロンはただ呆然としているように固まっている。
「どうかこのカードを手放さないで。アタシが十個の首をここに並べるまで。きっとすぐよ。すぐに片をつけるから。待っててね、リーロン」
マリアは優しく笑うと、タッと一歩で庭の木々の方に跳躍して消えた。リーロンはただ首筋を押さえ、木々に消えた少女の背中をジッと眺めていた。
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