2️⃣
その日は姉が見合い相手と顔合わせに行っていて、屋敷の中には家族は誰も居なかった。だからこそマリアは遠慮無く{
{嗚呼、相変わらず面白いのぉ、我の
「うん。一時的な思いつきじゃない、ちゃんと考えた結果のお願いだよ」
{そうか、ならば問うてやろう。正気か?
我は“
「——本気だよ。リスクは分かってる、でもやらなきゃいけないの。アタシは、一人で生きていけないといけない。……そんな、気がする……なんでかは分からないけど……
{我の口からは何も言えぬ。知りたくば己で探ることだな}
「うん……」
いつもこうだった。{
ふむと、{
{お主の気概はあいわかった。ならば協力してやろう。して、お主はどのような武器を望む?}
「刀! 刀がいい!」
{
{刀? それまたどうして珍妙なものを。刃が欲しいなら
「確かに{
マリアは書き物机の上の羊皮紙に、羽根ペンでサラサラと刀の構想を描く。生憎マリアは絵が得意では無いが、イメージが伝わればいいのでこの際気にしない。
マリアが描いたのは、先端と柄付近だけが刀としての太さをしている細身の刀だった。ほうと{
「こんな感じに、
{一刺し?}
「うん。この刀の刀身には、毒を仕込めるようにする。注射器の針のように刀身に細い空洞があって、柄で毒を入れて、突きで相手に毒を刺す。{
要するに“一撃必殺!”な刀が欲しいのよ。……こんな形状の刀、普通の鍛冶職人に見せたら鼻で笑われで終わるわ。だからアナタに頼ってるの」
{なるほど、面白いではないか}
{
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