桜貝

鳥尾巻

旅立ち

かなしい桜貝

五指の先

手のひらの上


その柔く沈む肌に

少しの傷も残らぬよう


慈しむ心を離れ

どこまでも高く遠く


その手を伸ばし

君は掴み取る


さいわいとそれ以外

時に畏れ

時に歓喜し


長い旅路の中に

どの傷も君のもの

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桜貝 鳥尾巻 @toriokan

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