第33話 寺への対応
33 寺への対応
「具体的にはどの様に寺へと圧力をかける予定なのでしょうか?」
「まずは楽市楽座を大津で開こうと思う。門前町などの寺町を干上がらせるのだ。それと堅田衆を銭で雇おうと思うのだ。それによって寺勢力の力を削ごうと考えている。」
祖父は知られていないが信長と同じ様に結構な過激派で寺焼きまくっているのだが、この情勢だと強くは出れない感じなのか。
「甘いですな。情勢を考えれば仕方がありませぬがもっと直接的に参りましょう。六角領内で僧兵を禁止し、金貸しを我らが肩代わりし、寺が政治に口を挟むのを禁止いたしましょう。」
「それでは農地改革の際に百姓どもは僧達が要らぬ邪魔を挟むのではなかろうか?」
「ですので大津以北の土地での農地改革は後回しにしましょう。以南であれば大きな影響もなく抑えられまする。」
「ふむ。」
「それと、将軍様と朝廷にも手を回しましょう。丁度近衛様や久我様もいらっしゃいまする。実際に坂本から比叡山の悪逆を伝えましょう。僧兵があるから警戒に兵をさかなければいけず京への出兵が遅れるなど言えば将軍家は気分よく勅を出してくれるでしょう。また、金貸しに関しては近衛様に動いて頂き、色欲や強欲な面などなら生まれる破戒僧が使っている銭はそこから生まれていることを訴えましょう。よしんば帝からの言葉を貰えなかったとしてもこちらの行動に対して非難は起こらないでしょう。それでも従わない場合は朝敵、もしくは幕府の命令に反するものとして焼きましょう。比叡山を焼けば他の寺も後退り指示に従うでしょう。そうする事で六角の支配が近江全土に広がるのです。」
「ううむ…。比叡山を焼いた際の影響が大きすぎるぞ。とりあえず将軍家と朝廷への工作はやってみよう。それを行ってから比叡山に対しての圧力をかけていくのだ。それでどうだ?」
「わかりました。しかし、こちらは楽市楽座などで比叡山に対し影響力を出していくのはやっていきまするが、よろしいですな?」
「わかった。異存は無い。元々ワシも僧兵が嫌いじゃからな、六角に大きな影響がなければ徹底的にやるが良い。」
祖父としては大きな反発を生む行動は後回しにしたいのだろうが、その様なことをすれば農地改革がますます遅れることが自明だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます