第30話 六角の大改革3
※ファンタジー物の新連載始めました!毎日投稿です!
「その兵は六角が管理運営している土地から用意されるということですな?」
「ああ、そういう事になるな。だが、徴兵したりする手間はなくただ兵を訓練して職務に励んでもらうと言うだけだ。」
「なるほど、よく分かり申した。ありがとうございまする。我ら蒲生も御屋形様のお下知に従おうと思いまする。我らの力を使って更に六角家を盛り立てていきますのでどうか我々の父祖伝来の土地をお任せ願います。」
蒲生親子が頭を祖父に向けて下げる。頭を上げた後ちらりとこちらを見て黙礼してきたのでこちらも黙礼しておく。蒲生は俺の傅役として働いている関係で後藤とのこの茶番も察して乗ってきてくれたのだろう。助かる。この流れに乗って中小国人衆達はほとんど六角に従う事になった。ほかの重臣である進藤や三雲などは少し迷っている様子を見せている。その周辺の中小国人衆達も日和見といったところかな?
「うむ。では、今声を上げてくれたものは別室でそれぞれ誓約書を書いてもらう。他の者たちは付き従わなかったからといって罰するつもりもない。今まで通り自領を治めてくれ。ただ腹いせに六角の農法を無闇矢鱈に試して他国に流出させることだけはないように気をつけて欲しい。」
祖父が頭を軽く下げるのに合わせて父と頭を下げる。それに合わせて今回の評定は終わりを迎えた。結果として六角の支配領域は7割の占有を超えた。上々の成果と言えるだろう。
特に青地氏矢島氏など京都に近い国人衆達が従ってくれたのは大助かりだ。正直京都は毒饅頭だから三好にくれてやったところで対しては痛くはない。守りやすく攻めやすい土地なぞ要らん。足利を防波堤にしてこちらは近江を纏め守りやすく攻めやすい拠点にしてやる。
父と祖父との三人の会合をまた評定の後に開く。
「お疲れ様でした。粗方思っている様に進んでよかったです。」
「そうだな。それにしても蒲生がこちらに着いてくれるとは意外だった。」
「だがこれによって六角の内政改革は更に進むな。亀松丸はどう考えておるのだ?」
祖父と父は何度も話し合いをするうちに孫であり息子である自分の意見をしっかりと汲み内政に関する方針を出すことを任せてくれる様になった。勿論決定するのは祖父だが。それにしてもニヤニヤとしながらこちらを試そうと見つめてくるのはやめて欲しい…と思いながらこちらもニヤリとして睨み返す。
「まずは農法を広め現在ある土地を正方形に変え検地を進めましょう。これに関して黒鍬衆十人に対して一人の内政官を当てがい護衛の兵もつけます。これらを一単位として六十単位を観音寺城から四方に放ちます。目標としては次の田植えまでに検地を終わらせ地図を完成させる事です。第二目標として田畑の形を整える事。第三目標は来年度の収穫の際までに田畑に応じて各税率を決める事です。」
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