第7話【パーティークエスト】

『パーティークエスト、ダンジョンの真実が開始されました。このダンジョンについての真実を、一定条件下において、パーティープレイヤーが確信したことによってクリアされます』


 その表示と共に、クエスト欄にパーティークエストが増えた。

 《???????》が並ぶ中、クリア項目は5つだ。




『この夢はただの夢ではない。プレイヤーは全て、現実に存在する、実在の人物本人である』


『プレイヤーは初期配置プレイヤーの他にも複数存在する』


『このダンジョンで死亡したプレイヤーは、現実でも死亡する』


『このダンジョンではプレイヤーキルも可能。殺したプレイヤーからアイテム等を奪うことが出来、経験点にもなる』


『このダンジョンでは、偽名を名乗ること、現実世界での職業を偽ることが出来ない』




 クエストのクリア報酬はモンスターコインだった。

 銀色のモンスターコインで1クエスト3枚、合計15枚が共有ストレージに入っていた。



「なあ、ていうことはよ、血痕が続いている場所に他のヤツらがいるんだろ? 助けに行った方がいいんじゃないか? いやでもPKとかしてるかもだよな……」

 武藤さんが腕を組んで唸るように言う。


「その相談もあって、情報を開示したというところですね。私1人で決められることではありませんから」


「もし助けに行くなら早い方がいいかもしれません。私の回復魔法もありますし」

「ですが、さっきも言ったように、その相手が善人とは限りません」


 ただのダンジョン攻略の夢だと思ったら、とんでもないデスゲームでもあった。

 それでも、僕ら含めて実在の人間であるなら。


「それでも行きましょう。ここで準備を揃えて、万全にしてから」

 幸いにして、パーティーメンバーはいい人たちで、ガチャもある。


「私もそうしたいです」

「俺も賛成だな。死んだらアウトだとわかってて怪我人見捨てるのは夢見が悪い。PKしてるヤツでも、この画面見せれば考えるかもしれねえ」


「では手早く準備をして、通路へ向かいましょう」


 全員一致で、他の人たちを探すことに決まった。


 クエスト報酬のモンスターコインでまずガチャを引き、その後に僕と有坂さんが割り振ってないスキルポイントコインでスキルツリーを解放。

 宝箱を開け、左の通路へ向かうことにした。 


 銀のモンスターコイン10枚でガチャを引いて、引いたアイテムを全て共有アイテムストレージへと入れる。



『銀コイン使用により、ガチャスキルがレベルアップしました。スキルポイントコインでのガチャが可能になりました。星1~星8までの武器防具アイテムスキルを排出します』



 同時にガチャスキルがレベルアップを告げた。

「こりゃ迷うな……スキルポイントコインをガチャに突っ込むか否か」


「うーん……まずはこの出てるものの、分配してから考えませんか?」


 ガチャの中身は防具が耐火のネックレス、物理防御+30、魔法防御+30。

 武器が星3の弓と星3と星4の剣、HPポーションが2つと、煙玉。


 星5スキル宝感知、星4スキルかなしばりだった。


 さっき分配してなかった分のアイテム、星3武器の槍、星4防具の耐毒のイヤリング、星2防具の物理防御+10が2つ、MPポーション2つと星5アイテムの身代わりの護符、最後のひとつが魔法のスクロールで星3の炎魔術を含めて分配をする。


 宝感知を斥候役の武藤さんに、対人でも傷つけず拘束出来る、かなしばりのスキルは武力がない有坂さんへ。


 防具は物理防御+30を有坂さん、魔法防御、耐火を前衛の武藤さん、残りの物理防御+10を僕と原国さんで装備し、身代わりの護符は宝箱を開ける武藤さんが装備した後、回復役の有坂さんへ譲渡。


 身代わりの護符は1度だけ死亡時の身代わりになるアイテムだ。出来ればパーティーメンバー全員分欲しい。


 武器は予備として、残りのアイテムと共に共有ストレージに入れておくことにした。


 武藤さんが宝箱を開けると、入っていたのはパーティースキル『マップ』だった。


 取得するとスマホの上部メニューにマップの表示が出る。

 スキルレベルが1なので今まで進んだ分だけが表示されていた。これも特殊スキルで、スキルポイントコインではレベルが上がらないようだ。


 スキルポイントコインについても、今回はパーティー共有にして、全員がそれぞれのスキルや職業スキルを確認した。


 有坂さんの回復魔法のレベルを上げ、武藤さんの気配察知スキルと職業レベルを上げて、職業スキル『斬撃』を取得して貰った。後は職業補正のない貧弱すぎる僕のステータスを上げて、温存することにした。


 気配察知はレベル2で人間も探知出来るようになる。

 僕たちの目的にぴったりだ。


「準備完了だ。行こうぜ」

 武藤さんを先頭に、僕らは部屋を出て、ダンジョンを進む。



 何が待ち受けているのか、わからない、ほの暗い道を。


 

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