第4話 進みすぎたテクノロジー

さて、ここまで見ていて生活のほとんどにAI


の技術が使われていると言う事は分かって貰


えただろうか?


この時代の人類は、家の形をしたAIや車の形


をしたAI、腕時計の形をしたAIなどを使い生


活している。


ならば、人間はなんの仕事をしているのか?


昔から言われているAIに仕事を奪われた状態


なんではないか?


確かに、AIに置き換わった仕事はとても多


い、しかしその仕事のほとんどが人でなくて


も良かった仕事なのだ。逆を言えば、人がや


った方が良い仕事はいまでも人がやってい


る。


例えば、スポーツ選手、サービス業の客のサ


ポート係、病院や学校の先生などである。


この青年もいまは、ITのエンジニアをしてい


る、AIは進化をしているが国際AI保護法など


の決まりでAIを管理するのは人間と決まって


いるからだ。


そして、AIの進化はいまでも進んでいる、そ


れの代表的な物がAIロボット専用のオリンピ


ック抽象(アンドロイドオリンピック)である。


アンドロイドオリンピックは、ロボットの国


際的な大会で種目や開催頻度も人と同じでそ


れぞれの国のAI技術を競い合う大会としてい


までも先進国を中心にいろんな国が積極的に


参加している。


この大会で優勝すればその国は経済が数年で


急成長していく程の影響力があり、世界中の


AIロボットの業界は常に変化し続けていた。


これだけの世界的な流れがあれば、当然我々


の日常生活にもAIの技術はあらゆる場所に浸


透しいった。


その中でも、一時期話題になったのがAI搭載


型のロボットフィギュアである。


想像してみて欲しい、もし仮に推しのフィギ


ュアが画面の中と同じような動きと声を持っ


て目の前に存在していたとしたら?


そのフィギュアと会話ができるとしたら?


そのフィギュアと生活を共にできるとした


ら?


自分の推しが自分だけの物になる、人々がそ


の願望をAI搭載型フィギュアで叶えていた。


開発したのは、日本人のあるオタクだった。


彼が、推しと会話がしたいと考えていた時た


またま、ニュースで見た作業用AIロボット


「ペッパー・ノーマル」通称PNを見てそれを


使ってフィギュアを作ろうと考えた。


初めは上手くいかずエラーが多かったが、そ


れを制作していることをSNSにあげるとPNの


開発を手がけた大手企業が共同研究の話を持


ちかけ、数年の試行錯誤と国が出した厳しい


安全基準を突破しついに、家庭向きの小型AI


搭載型フィギュア、「ペッパー・人造人間」通


称PZが開発された。


PZは、初めはアニメのキャラやアイドルを中


心に作られ「推しが自分の物に!」というキ


ャッチコピーで高額だったにも関わらず凄い


人気を誇っていた。


やがて、他社もPZと同じような物を作るよう


になり、さらに人気が加速していった。


その波に乗り次に開発されたのが「ペッパ


ー・オーダーメイド」通称PO、しかしこれは


発売開始からしばらくして個人を対象にした


製造が禁止になった。


その理由は、このロボットはあまりに人間に


似過ぎていたからである。


このロボットは、顧客の細かい要望に答えら


れるよう、1つ1つオーダーメイドでロボット


を使っていた。より、人間らしく。より、本


物らしく。より、詳細に。


そうして作られたPOは、動きの滑らかさや表


情の豊かさ、ハリのある人口皮膚の質感、ぱ


っと見では人間なのかロボットなのか分から


ないほど鮮明に作られていた。


そのレベルのロボットをオーダーメイドでつ


くれる、値段は億万長者でもなければ払えな


い額だったが欲しがる人は山のようにいた。


何故そんなに欲しがっていたのか?


それは、2度と叶わないはずの願いを叶えられ


るからである。


ある老夫婦は、病気で幼く死んでしまった娘


を作ってもらい、一緒に散歩をした。


ある男は、自分そっくりのロボットを作って


もらい犯罪の身代わりにし失ったはずの人生


を取り戻した。


ある女性は、理想の彼を作り結婚をして添い


遂げようとした。


この問題にたいして、世界中で取り上げられ


このままでは、人間が人間への関心を無くし


大金と人生をつぎ込んでしまうと警戒した。


それにより、販売開始からしばらくしてPOの


極度の依存と犯罪への悪用を防止するため個


人への製造禁止になり、いまでは国が許可を


出した理由と図面がなければ製造できないよ


うになり、いまPOを見るとすれば一部の王族


や政府の要人の影武者か大手アイドル会社の


手がける「POアイドル」たちくらいである。


AIは人類の生活や社会に浸透し、誰もが思っ


た通り人の代わりにAIが働いている仕事が多


くなった。


少し前までは、何もかもAIにおき変わってい


た。


ただひたすらに、豊かさと便利さを求めた結


果、人と人との関わりが少なくなり、人々は


孤立していくようになっていった。


生活の質は上がったが、人間関係の問題や人


生の満足感が低下しそれが社会に悪影響を与


え出したころ、人類は金や便利さより人の温


もりを求めるようになっていった。


いまではいろいろ見直され人と人が直接関わ


る仕事はいまでも人間がそこで仕事をしてい


る。


危険で辛い仕事はAIに任せ、余った時間で


人々は交流をし、人としての時間をより楽し


んでいる。


AIと人類が培ってきた技術と知識そして歴史


があれば人類はさらなる富を求め進化し続け


ていく。そう誰もが信じ誰もが期待してい


た。人類は決して滅びない、なぜなら我々こ


そこの地球の所有者なのだから。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る