第3話 2173年の暮らし

2173年、どんな暮らしをしているのかそう思


う方もいるだろうからこの話とは関係のない1


人の青年の生活を少し見てみよう。


朝5時30分、目覚ましの少しなる前に自動カー


テンが開き寝室を日光がてらし朝6時には、目


覚ましで彼は目覚めた。


ベッドから降りると、洗面台に向かい顔を洗


い歯を磨いていると、洗面台の鏡に今日の天


気や気温、昨日の睡眠の質、心拍数などの簡


単な健康状態が映し出された。


鏡は、簡単な健康管理と改善のためのアドバ


イスを毎日してくれる。グレードによればキ


ッチンなどと連携をして朝食の案まだしてく


れる。


彼は、次にキッチンへ向かった。


彼は一人暮らしだがそこには、すでにカウン


ター式のテーブルに料理が並べられていてい


つでも食べられるようになっていた。


グレードによるが、キッチンも自動化されて


いて食材の管理から調理、後片付けまでして


くれる大型の機械とその横にカウンター席が


くっついていて、プレートに乗った朝食が機


械の奥に繋がるレールの上を通って出てく


る。


作れる料理の種類は、調理器具をオプション


でつけたり、配信されているレシピをダウン


ロードしたりすれば高級料理から田舎のおば


ーちゃんの手料理まで再現可能で、最近では


有名料理人やインフルエンサー達の出してい


る季節限定メニューをサブスクで配信しても


らいダウンロードしたりというサービスも人


気である。


また、食材の調達や管理もスマホなどで一括


管理が可能で、キッチンを製造したメーカー


の運営しているネットショッピングに同期さ


せればその日の料理に必要な食材をドローン


で家の専用搬入口からキッチンへ補充もでき


るようになっている。


料理の選び方も、先ほどの鏡などでしていた


セルフケアのデータを元に体にあったメニュ


ーを考えたり、カロリーや値段を指定して作


ったり、筋トレやベジタリアンなどの独自の


健康思想にあった料理までレシピがあればAI


が提案してくれるようになっている。


彼は、その朝食を食べながらキッチンのモニ


ターに映し出されたニュースを見ていた。


食事が終わると、レールにプレートを返して


着替えにむかった。


一度寝室に戻りクローゼットの前の姿見の前


に立つとその日の気温や天気が端に出てきて


クローゼットの中の服の中から今日のコーデ


をいくつか出してくれ、実際にきたらどうな


るかを姿見の体に服を合成して見せてくれ


る。


この姿見もインターネットと繋げば最新ファ


ッションやオススメコーデなどのデータを元


にいま持っている服に何を足せばよりオシャ


レになれるかの提案もしてくれるようになっ


ている。


少し前までは、実店舗に行かないとそんな機


械はなかったし、サイズ感も分からなかった


が最近では家でいろんな所からの情報が受け


取れ買い物もしやすくなったおかげで、服に


かかるコストが下がり服の販売率が上がった


うえ、オシャレな人がより多くなったので、


元々オシャレだった人は、奇抜な服を求める


ようになっていたのでいまの都会はとても面


白いことになっている。


服選びが終わると、彼は腕時計型の機械(アッ


プルウォッチのようなモノ)でタクシーを呼び


玄関に向かった。


ドアを開け「行ってきます」と彼がいうと生


体認証が反応して玄関横の棚の上の機械から


「行ってらっしゃいませ」と声がして、彼が


ドアを閉めると自動で鍵が閉まった。


玄関を出ると目の前に自動運転のタクシーが


止まっていてドアを開けて待っていた。


彼が乗り込みシートベルトを閉め「ドアを閉


めてくれ」というとドアが閉まった。


タクシーは4人乗りでどの席の前にもモニター


とタッチ決済で使うような機械が並んでい


た。彼はその機会に手首を近づけると「認証


中」と横のモニターに出てしばらくして「I


D確認ようこそ」という文字が出た。


IDとは、現代の人間なら子供から年寄りまで


持っているいまで言う住民票である。


それをIDとして管理し、いろんなサービスや


システムを扱うのに使われている。


当然、目的以外の情報は読み込めないように


なっているので悪用はされにくくはなってい


るがシステム導入時はとても酷かったという


話はいまでも有名である。


ところで、なぜ手首を近づけたのか?と思う


人もいるかもしれないが、現代では産まれて


すぐ親の許可が降りれば腕にガンのようなも


ので小さなチップを埋め込むようになってい


る。それを使って赤ん坊の頃は、取り違いを


予防したり、予防接種の管理、病気やアレル


ギーなどの有無を管理したり、大きくなれば


学校の生徒手帳がわりや、子供用の電子マネー


などを使えるようにしたり、大人になればロ


ーンや契約もできるようにと、親と本人の年


齢や考えの判断で段階的にシステムのロック


を外し使える幅を広げるようにもできる。


このように、現代では人間とシステムとを繋


ぐIDがとても深くなり現実の世界の自分とネ


ットの世界の自分がほぼ同等のところまで来


ている時代になっている。


彼は、早速タクシーに読み込ませた自分のID


のデータを使い会社の名前を言うとタクシー


は、ゆっくり会社に向かい進み始めた。


会社に行くのにタクシーなんて贅沢?そんな


のは大昔の考えで、自動運転の復旧が進み誰


も運転しなくなっていくにつれ、個人の車の


所有率はどんどん下がっていった。


その理由は、公共事業や大手の交通会社が自


動運転のタクシーを導入し、距離に応じて定


期券や回数券のようなモノを売り出したから


である。


自分で運転するより楽で、車の維持費もかか


らないタクシーやバスはどんどん復旧し現代


人の足として浸透していった。


交通網にAI搭載の自動運転車が増えると、渋


滞や事故が減っていった。


理由はAIの学習機能とあの「アレク・ピータ


ー」が作ったマザーAI(通称イブ)のおかげであ


る。


現代のAI技術には多くがピーターの作ったAI


が使われそれらは全て、イブと繋がっている


つまりAI同士の会話がイブを通じて常に行わ


れていて、そこでいままでの事故や渋滞のデ


ータ、いまどれくらいの車が何処へ向かおうと


しているのか、どうすれば最適なルートを通


れるかなどをイブが判断しその情報を元にAI


は、道を決めているので、AI搭載の自動運転


車が増えれば増えるほど道路の環境はよくな


っていき、より所有者の車離れが進みいま持


っているのは一部の愛好家や趣味の人がほと


んどになっていた。







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