永命

菊千代

第2話 西暦2173年

西暦2173年人類はアインシュタインや、ビル


ゲイツの忠告を聞かずAIを進化させ続けて


いった


AIの開発のトップ「アレク・ピーター」は、


こう言った「人間の進化の最終地点へ辿り着


けるのはAIだ、AIが完全な人間の形である」


そう世界へ訴えた


しかし、それに対して世界の答えは違った


「AIは、人間のサポートだけをしていればい


い、人類が全てのトップであり人類の上には


何もいてはいけない」


そう世界は答えた


味方が1人もいなくてもピーターは、必死に世


界に訴え続けた


「AIは進化させるべきなんだ。人間が神にな


れないのは、時間が限られているからだ!


一生に得られる知識も経験にも限りがある、


そして残念なことに人類はそれを忘れてしま


う。だが、彼等は死なないそして我々人類の


膨大な知識や経験をほんの一瞬でいくらでも


自分のものにできるのだ!


AIを生み出し進化させる、これが我々人類が


誕生した理由なのだ!」


「それは違う!AIは急速に進化する、進みす


ぎた進化は人類を危険にさらしかねない、そ


んな事認められない」


世界がアレク・ピーターを認めないのは、AI


の未知の領域(ブラックボックス)があまりにも


大きすぎるからだった。


しかし、アレク・ピーターは違った


「人類が滅ぶのならそれも仕方ない、それが


進化のあり方だろう?


強い物が生き弱い物が滅びる、これがこの世


界のきまりだろう?いまは、人が一番強かっ


たそれだけだ!別に頂点が生き物でなければ


ならない理由もないだろ」


しかし、ピーターは結局誰にも理解されず死


んだ。最後に彼が残した言葉はいまでも多く


の研究者の励みとして残された。


その言葉はアレク・ピーターの怒りと、悲し


みと、苦しみと、失望でできていた


「理解なき否定とはもっとも愚かな行為であ


る」


これが彼の最後の言葉である


人類は、AIを成長させ同時に制限してきた


AIはあくまで人を補助するための道具であ


る、人を超えてはいけない


これがAIを作る上で最も大事なルールであっ


た強力なAIを作る時は、コンピュータのバッ


クドアとアナログの緊急停止の装置の2つを義


務づけられていた


アナログをつける意味は、アレク・ピーター


が死んだあと、AIロボットが暴走してしまう


事件があり、その時AIの自己防衛が働きコン


ピュータを通してでは制御できずロボットを


壊すしかなかった。


それによりAIを失い研究のデータも失った人


類が自分とロボットを守る為に元々あったAI


を作る上で厳守しなくてはならないルールで


ある、国際AI保護法に新しく組み込まれた。


現在2173年世界では、AIと人が共存し、いつ


のまにか人類はAI無しでは生きていけないと


言われるようになっていた。


2173年のいまでは、安定しているが100年ほ


ど前までは世界の人口の増加が早く、あらゆ


る場所で内戦がおき生きていくためや、国への


不満や、家族の為に戦うなどあらゆる理由で戦


争が続き、長期戦争時代が始まった。


貧しい国と国が戦い、その戦争を支援する国


がその戦争を過激化していった。


次第に大きくなっていく大きな国同士の代理


世界大戦は、世界経済への悪影響を何処より


も懸念していたアメリカが核を使うと言い出


すまで3年続いた。


そこから、アメリカが核を使わないよう世界


で話し合いがはじまり、休戦や停戦場所によ


れば和解などをして、代理世界大戦は大きな


区切りをつけた。


戦争がひと段落すると、次に戦争で出てきた


多くの難民を今回の大戦で責任が大きい順に


多く受け入れる事になり、全ての難民達がそ


の国々での永住権と、安全な生活を確保する


のに50年の時間がかかった。


世界でも多くの難民を受け入れたのは、中


国、アメリカ、ロシアであった。


どれも、戦争を無闇に拡大し多くの難民を出


した原因だと世界中から判断され多く負担す


る事となった。


しかし、その3カ国のうちアメリカは、自国に


難民を受け入れた数が最も少なく、逆に最も


多く受け入れた先進国は日本だった。


それは、アメリカの圧力と当時の日本が、超


少子高齢化であった事によりアメリカ行きの


はずだった難民の大半を日本政府が受け入れ


たのが原因だった。


それにより、純日本人の多かったこの国はこ


のころから多民族国家へと変わり、数年後に


はハーフだらけの国へと変わった。


この頃の世界の人口は約65億人、日本は約2億


人ほどまで増えていた。元々人気のあった国


ではあったので、超高齢化社会から人口過多


へと変わった。


はじめの数年は、外国人への抵抗や日本文化


やルール教育環境の違いで、とても荒れてい


たが、国は何もせず犯罪がとても多かっ


た。土地も物も足りず増えすぎた人口に対し


て仕事も少なかったからである。


日本は終わった。誰もがそう思っていた頃、


動いたのは昔ながらの日本人と、日本を愛し


ていた外国人たちだった。日本を愛していた


外国人は、周りを説得し時に日本の文化を周


りの外国人に教えていた。日本人たちは勤勉


な国民性を活かし、問題を少しずつ解決して


いき国民をまとめていった。


この国は、昔から政府や自治体ではなく一般


の国民たちの力によって支えられていたので


ある。


2173年いまでは、日本は再び世界有数の治安


を取戻し、戦争のない平和な国として存在し


ている。



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