第28話 リプア王国の戦士上崎
「上崎!」僕は魔術発動と同時に叫んだ。
僕の魔線がリプアの戦士の服を着た上崎の肩を貫く。
上崎がバランスを崩す。
敵リプアの司令官K・ケイゴが、上崎の肩を支える。
「大丈夫か上崎?」
「大丈夫。かすっただけよ。」
僕は「すまない。上崎。君だと思わなくて。なぜ、君がここにいるんだ?」
僕はケイゴをにらんだ。
上崎は「二条、気にしないで。私はリプア王国の司令官Kのケイゴのスカウトにのったの。あの日、二条とイケが光と共に空に消えて、ケイゴが現れて私の騎士としての力が欲しいと。私を指名して。
異世界でもどこでもいい。私の実力を把握して、私をスカウトしに来たのよ。」上崎は少し興奮気味に話している。
「上崎、君ならこんな異世界に来なくても、あの学校で、なんでもできてたじゃないか。みんなのあこがれの的だ。なぜ、戦士として来たんだ。バカじゃないか。」
「だから、二条は嫌いよ。私のことわかってない。あの場所が居心地がいいかなんて、誰にもわからないでしょ。私のことわかったふうに言わないで。」
僕は勝手に上崎をみんなが言っているように女王様でいいなと思っていただけだ。
「二条が突然消えた。あの日からどれだけ…バーン」攻撃波が僕らを襲う。
ケイゴが攻撃をはじめた。
「上崎、大丈夫だ。取り乱すな。僕がいる。敵は君の元友人のようだが。
君には悪いが僕も国の命を受けて戦っている。上崎、君も早く戦闘体勢をとるように。」
上崎が体勢を整えて攻撃をはじめた。
イケが「二条、どうする?本気出す?上崎ちゃん、敵側だよ。」
さっきのウサギの言葉が蘇る。
”自分以外のものに、深く干渉するな。生きにくくなるぞ。二条。”
そうだ。その通りだ。上崎のことは好きだが今は...
くそー,愛か任務か、究極の選択だ。
イケが「二条、今は余計なこと考えるな。後ろを見ろ。関係のない市場の人達がケガをしている。」
ウサギが「イケ、よく言った。いい判断だ。二条、今は任務だ。」
人々のおびえる顔。僕がみんなを守る。
イケが「いいよね、二条。魔術発動」強い光線があたりを覆う。
覚醒能力。女子を魅了し、乗っとる破壊級に近い力だ。
上崎が剣を落として、ふわっとイケの目の前に。キスをした。
上崎、戦闘不能。すべての動きがスローモーションに見えた。
次の瞬間、司令官Kが素早く上崎を奪おうとイケの目の前に。
僕も最速でイケの前に。そして僕はイケではなく上崎の頬に手をあげた瞬間。
ケイゴと共に上崎は消えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます