第27話 魔術発動

僕らは明日から始まる魔術の戦闘訓練に向けて解散した。

パブロはギルマスのカイルと話しがあると残った。ギルド受付のリラ、門番のテルは仕事に戻った。

パトリは商人らしく「市場調査に町に行くけど誰か一緒に行かない?」

どうやらパトリは、本気で干し芋の流通を考えているようだ。

「はーい」とキャロル、キラが手を上げる。

「ねえ、その前に美味しいパフェでも食べない?ガヤ王国は美味しい果物がたくさん採れるみたいで、美味しいと思うの。」

目が星でキラキラ。

やっぱり女子だ。

ダックも「護衛で僕も行くよパトリ。」

とパトリにピタリ。

「じゃ、あとで宿で。」

「じゃーな。」

解散時に50ギラの軍資金がカイルからみんなに渡された。

さすが商人ギルドのギルマスだ。気が利く。

イケが「二条、腹減ったー。何か食べないか?」

「そうだな。」

えーっ?

ウサギが姿を子供の姿に変身。

僕は「ウサギ、なんだよ。その姿。」

「どうだ。可愛いだろう。

町の偵察にはこの方が都合がいい。」

「そっか?」

僕らは、ぶらぶらと町を歩いた。

「そう言えばキャロルがこの国じゃ、美味しい果物がたくさん取れるとか言ってたな。

僕らも食べたいよな。」

ウサギが「そうだな。ガヤ王国では果物が豊富に採れる。

その資源を奪おうとリプア王国はスパイを送り込んで狙っている。ほら、あそこに屋台があるぞ。行くぞ。」

敵のリプアの話より僕らは甘い香りに誘われた。

看板に“クレプのチョコバナナ“

「おいイケ、あれってクレープのことだよな。」

「だなあ。」

僕らはテーブルに座った。

「ウサギこっちの世界じゃ、スカウトは普通なのか?」

「普通だ。」

「じゃあ、地球人がこのガヤにもいるってこと?」

「そうだな。」

「彼らはなぜ、ここに残っているのか?」

「俺様が知るわけないだろう。それに、それを聞いたからって何かが変わるのか二条。

お前はパブロによってスカウトされてきた。

この 異世界同盟任務を締結するためにな。

任務が終わったら、故郷の星で元の高校生をするんだろう。」

「そうだ。」その通りだがなんだろ。気持ちがもやっとする。

イケが「そうそう、上崎が待ってるもんな。」

見透かしたようにウサギが

「自分以外のものに、深く干渉するな。

生きにくくなるぞ。二条。」

僕は黙ってうなずいた瞬間。

ウサギが「気づかれた。敵だ。」

次の瞬間、光の電磁波が食べかけのクレープを貫く。

僕らは身構えた。

無意識に僕は魔術発動。

「敵だ!嘘だろう。上崎?!」


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