魔法模倣

「お久しぶりです。ご招待ありがとうございます」


おれは引き攣りそうになっている顔を必死に抑え紳士スマイルを浮かべながら


「会えて嬉しいよシルフ。今日は来てくれてありがとう」


と返した。うん。恥ずい





〜お茶会〜


「シルフは魔法の訓練とかしてるの?」


「まだ始めてないですね」


ほう!それならこっちに来てもらいたい!俺も成長見れるし名案じゃないか!


「ならこっちで僕と一緒に訓練しない?」


シルフはその言葉を聞いて何故か頬を紅く染める

「えっと、それは住み込み……でということでしょうか?」



え?どこにそう捉える部分があったの??


「えっと……そういうことではないんだけど……」


「え?」


「え?」


「いえ。なんでもありません!」


うん。5歳児のシルフちゃん怒っちゃったよ。



なんかごめんじゃん


「どうしてユダ様と一緒に魔法の訓練をするのですか?」


「シルフには魔法の才能があるから」


「どうしてわかるのですか?」


「ん〜勘かな?」


ユニークスキルのおかげでステータス見れるとはいえねぇよ


「勘…ですか」


「ならいまから僕が魔法を教えてあげるよ」


「ほんとですか?」


「うん。魔法についてはどこまで勉強したの?」


「基本的なことは全て勉強しました」


「ならわかるね。なら教えるよ」




そうして俺はシルフに魔法を教えるためにまずはどの属性に適性があるのかを調べた。その結果はなんと風属性と水属性の二元素使いであった。


「私が二元素使い……ですか」


「そうみたいだね。やっぱり僕の言った通り才能があるね」


「次は僕が水魔法を使うから真似してみて」


そう言っておれは水魔法を使った。まず普通ではみただけではできないだろう。


でもシルフのユニークスキル魔法模倣が俺の考えている通りならできるはずだ。


「えっと…こうですか?」


予想的中。チートスキル持ちのシルフちゃん決定だよ。


「そう!出来てる!やっぱりすごい才能だよ。普通は見ただけではできないんだ」


「え?」


「え?」


「ならどうして私にそんなことをやらしたのですか?」


「言ったでしょ。魔法の才能があるって」


その言葉を聞いてシルフはますますわからないといった表情を浮かべた。


「どう?一緒に訓練しない?」


「それもいいかもですね。父上に確認をしてみます」




シルフが父上の確認が取れたため次の日からメリックの指導にシルフも加わった。






「これはすごい才能をお持ちですね。シルフ様」


シルフは俺が見せた水魔法や風魔法などを容易く模倣してみせた。


「ありがとうございます。メリック様に褒められると自信がつきます!」



「これは将来が楽しみでありますな。ユダ様もシルフ様に負けぬよう頑張りましょう」


「僕が負ける?ふっそんなことは天地がひっくり返っても起こりえないさ!」


と、自信満々に言ったはいいもののもっと努力しないとホントに抜かれそうである。あの魔法模倣とかいうチートスキルはずるすぎる。


とまあこれで俺の野望が1歩前進したな!この調子でどんどん才能のある子を見つけていきたい。


もうそろそろ夜に王城を抜け出してスラム街まで行ってもいい頃合いだな。



明日の夜にでも行ってみるか


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