特殊元素
誕生日パーティーを終えた翌日、俺はメリックに「魔法師団の人と模擬戦がしたい」と直談判をしていた。
「そうですか。なら今から魔法師団の訓練にお邪魔しましょう」
「え、そんなすぐにできるの?」
「ええ。こう見えて元は副団長ですから」
持つべきものは優秀な老いぼれ爺さんだな
久しぶりに魔法師団の訓練場に来たなあ
「ユダ様、メリック様どうされましたか?」
現副団長のブルートが聞いてきた。
『名前』 ブルート・コルク 40歳
『人種』 ヒューマン
『レベル』 300/333
『体力』 B/B
『魔力』 A/A
『攻撃力』C/C
『防御力』C/B
『素早さ』A/A
『知力』 B/A
『ユニークスキル』なし
『職業適正』 魔法師
『称号』なし
うん。流石副団長。いいステータスしてるね。メリックとどっちが強いのだろうか?気になるところではあるね
「僕がメリックに魔法師団の人と模擬戦がしたいと頼んだんだ」
ブルートは少し驚いた顔をする。まあまだ5歳児だし、ガキの戯言とか思っているんだろうなあ
「ユダ様は魔法師団の者と模擬戦をしても勝算は十分にあると思ってここに来たんだ」
「そうなんですか。なら最近入った期待の新人とどうですか?」
期待の新人か。うむ。悪くない
「その人は強いの?」
「ええ。実戦経験を積めば一流の魔法師になることでしょう」
「うん。その人との模擬戦お願いするよ」
「かしこまりました」
これが期待の新人か。まさか女性だとはね。
『名前』 リア・スムルース 18歳
『人種』 ヒューマン
『レベル』 203/333
『体力』 C/B
『魔力』 B/A
『攻撃力』D/C
『防御力』C/A
『素早さ』C/A
『知力』 D/B
『ユニークスキル』なし
『職業適正』 魔法師
『称号』なし
この世界は15歳で成人。そして15歳から学園に通うことになってるから学園を卒業してすぐに魔法師団に入ったばかりの人だね。たしかに経験を積めば副団長くらいまでは登りつめるだろうね
「お初にお目にかかります。リア・スムルースと申します」
「わざわざ僕のわがままに付き合ってくれてありがとう。その前に一つ聞きたいんだけどリアさんってジェニーアカデミー出身?」
ジェニーアカデミーとはヒューマン、エルフ、ドワーフの優れたものだけが入れるアカデミーの事。
「はい。ジェニーアカデミー出身です」
「わかった。ありがとう。じゃ始めようか。もういいよメリック」
「はい。ではユダ・ウィリアム対リア・スムルースの模擬戦を開始します!」
俺は開始の合図が聞こえた瞬間、ファイアーボールを打った。
だがそれはリアのウォーターボールとぶつかり消滅する。
「うーん。リアは水元素の使い手かあ」
リアは間髪入れずに追撃してくる。
「中々やるね。でもこれはどうかな?」
俺は雷魔法を何個も展開して放つ。
水と雷は相性悪いはずだ。
え?なんで雷使えるかって?チート《創造魔法》のおかけだよ
これをメリックの前で使った時は相当驚いてたなあ。なんでもこの世界では雷や氷、重力の魔法は練習すれば誰でも扱えるが、そんな簡単に扱えるほど簡単な魔法ではないらしく、メリックでも重力魔法だけしか扱えないらしい。まあ俺は全部扱えるんだけどね
そしてリアは俺の雷魔法に手も足も出せず降参した。
「降参です」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
ブルートが俺のところまで近づいてきた。
「ユダ様。お見事でした。まさか基本元素と特殊元素を使える人がいるとは思いもしませんでした」
「初めはメリックにも驚かれたよ。今では雷魔法だけじゃなくて、重力と氷魔法も練習してる最中だよ」
「ユダ様の才は歴史の中でもトップクラスでしょう。アーサー様の才もすごいですがユダ様も凄いですね」
「ありがとう。ならもう今日は目的果たせたしお暇させてもらうよ。ありがとうブルート」
「いえ、こちらもあいつらのいい刺激になりました」
「いくよメリック」
「はい」
「思ったより手強くなかったなあ。やっぱり新人じゃ相手にならないね。今度は普通の魔法師の人とやろうかな」
「そうですね。ユダ様にはその方が良いかもしれませんね」
「メリックも油断してたらダメだよ?6歳になるまでにメリックには勝とうと思ってるんだから」
「ははっ私も負けじと頑張りますよ」
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