誕生日パーティー

「今日は余の息子、ユダ・ウィリアムの誕生日パーティーに来てくれてありがとう。みな存分に楽しむが良い」


ザクロス(国王)が始まりの挨拶をすると共に誕生日パーティーが始まった。



とうとう始まっまちゃったよ……


「ユダよ」


「はい父上」


「お前にはパーティーの途中で挨拶をしてもらうから軽い文章を考えておけ」


「……わかりました」


ですよね。本日の主役が挨拶をしないなんていう展開ないですよね……知ってましたよ……



パーティーが始まってから1時間程たった。貴族の大人たちは国王には挨拶しているが俺の所には来ない。


通常、俺が挨拶を終えてから皆挨拶にしに来るらしい。ほんとに憂鬱だ……



「皆の者!今から我が息子が挨拶を述べるぞ!」


パパンがそう言った瞬間その場にいた全員が会話をやめ、俺に注目する。



俺は壇上に登り、礼をする。


はあ……かったるいなあー

「今日は僕のために来てくれてありがとう。第三王子ユダ・ウィリアムです。」


「まだ5歳。周りからすればまだ子供だけどこの国のために今の自分のできることをやっていきたい。だから皆もこの国のために全力を尽くしてほしい」


「以上をユダ・ウィリアムの挨拶とさせていただきます」


パチパチと拍手の音が聞こえる。


ふぅ……なんとか乗り切ったぞ。あ、でも今から貴族たちが挨拶に来るのか……まだまだ夜は長そうだ。





そこから色んな貴族が子供を連れて挨拶に来た。その度に鑑定をして能力を見て回ったがこれといった人材は確認できていない。


「お初にお目にかかります。公爵家の娘、シルフ・エアリストと申します。以後お見知りお気を」


『名前』 シルフ・エアリスの 5歳

『人種』 ヒューマン

『レベル』 31/666


『体力』 F/B

『魔力』 D/S

『攻撃力』G/D

『防御力』G/C

『素早さ』F/B

『知力』 D/S


『ユニークスキル』 魔法模倣

『職業適正』 魔法師

『称号』なし


レベル上限666!?それにユニークスキルまであるし最大値Sが2つもある。これは何としてでも仲間にしなければ!


「第三王子のユダ・ウィリアムです。あのもし良かったら今度王城でお茶会でもしませんか?」


「なんと!?ユダどうしたのだ」


ん?そんなまずい事言ったかな。パパンはなにを焦ってるのさ


「お、お茶会ですか?」


なんだかシルフの顔が赤いし、もじもじしてるな……


「……あ」


今度王城でお茶会?……で、デートのお誘いじゃぁねぇかあ!!!


「はい!今度お邪魔します。では!」


「え、ちょっ……」


シルフは上機嫌で去っていった。


「父上……」


「……なんだユダよ」


「さっきの僕の発言、完璧にデートの誘いだったよね……?」


「お前がそんなに積極的だと思いもしなかったのう」


「やってしまった〜」


俺は先程の自分の発言を振り返り、いたたまれない気持ちになった。その後も挨拶は続いていった。





誕生日パーティーも終わり、自室に戻った俺は今日のことを振り返る。


「シルフはレベル上限666でステータスはSが2つ、そしてユニークスキルもあった」


もしかするとレベル上限333と666の違いはユニークスキルの有無ではないのだろうか?


それにしてもシルフのユニークスキルはチートではないだろうか?なんだあの魔法模倣って言うのは!!


もし魔法を模倣できるのだとしたら、俺の創造魔法とすごく相性良いのでは!?仲間になったらの話だけどね



シルフの他には目立ったステータスの子は見当たらなかった。


そういえば神童アーサーお兄ちゃんのステータスはどれくらい上がってるんだろ。今度見てみよーっと


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