リベンジ

グレイ兄さんに負けてから一年が経った。


この一年間は魔法や剣術により一層の磨きをかけた。メリックと一年間模擬戦をした事により魔法での対人戦は魔法師団にも引けを取らないほど成長したと思う。


でもね、メリック強すぎるわ。以前メリックの過去が気になったから聞いてみたら


「私は昔、魔法師団の副団長をしておりましたよ」


と言われた。そりゃいくら頑張っても4歳児が勝てないわけだ。まあ6歳になるまでには勝つつもりだけどね



剣術の成長は明日のグレイ兄さんとの模擬戦で証明して見せようじゃないか!


実に一年振りの模擬戦だ。もう負けないから!





「一年振りの模擬戦だな。ユダ。今日も俺が勝つ」


「兄さん。僕はこの一年でだいぶ成長しました。もう勝たせてもらいます」


「それでは今からグレイ様とユダ様の模擬戦を開始します!」


ゾルトが合図をかけた瞬間、グレイは距離を縮めてきた。


そうくる事はわかっていたよ。兄さん


「…!」


グレイの渾身の一打がユダに容易く払われた。


「どうしたの兄さん?次はこっちから行かせてもらうね」


この一年間で磨きに磨き上げた剣さばきをその身でとくと味わうが良い!!


「縮地!!」

グレイとの間合いをすぐに詰め尚且つ素早く剣を振り下ろす。


「…っ!」


グレイはギリギリ防いだが、次の攻撃を予測する余裕もなくユダの一打を浴びる。


「いってぇ〜」


「勝者ユダ・ウィリアム!」


「ありがとうございました」


「ありがとうございました。くっそー!ユダに負けたあ」


「だいぶ成長したでしょ?一年前に負けたのが相当悔しかったからね」


「次は負けねぇから!」


そう言い放ってグレイは去っていった。



「ユダ様。お見事でした。こんなに早く成長するとは思いもしませんでした」


「そうだね。でもアーサー兄さんに勝てるように頑張らないと」



「兄さんは9歳のときに騎士団の人と遜色ないくらい張り合ってたんでしょ?」


「そうですね。9歳で騎士団の者と模擬戦をして張り合うのはアーサー様くらいでしょう」


「んー……今は4歳だから僕は6歳になった時に騎士団の人に勝てるように頑張るよ」


「ははっ……ならなおのこと頑張りましょう」

(6歳児が騎士団の者と模擬戦をして勝つ?いくらユダ様でも厳しいのでは……?)


「6歳になったら騎士団の人と模擬戦したいから手配しといてね」


「わかりました」

(まさか本気なのか……?)








かれこれ半年が経過した。おれももう5歳だ。


そして今日は5歳の誕生日パーティー


これが憂鬱なのよ……なんたってこの国の貴族の5歳児が集まるらしい。なんで俺の誕生日パーティーに何人もの5歳児が集まるんだよ……



いくら第三王子でももうちょっと小規模にしてくれよ……


「ユダ様。そんなに嫌そうな顔をしないでください」


「そりゃ無理あるよリリー。何人来るの?そして何人に挨拶されるの?考えただけで憂鬱だよ」


「王族の子は皆通って来た道です。グレイ様でも通ってこられたのですから」


あの脳筋兄さんよく耐えられたな。俺には無理だよ……


「はあ……まあ頑張るか……」


「はい。頑張ってください」


リリーはこういうのに厳しいんだよなあ……



ほんっとに憂鬱だ?


まあ5歳になった事だしこの2年間の成長を見てもらおう


これが前のステータス

『名前』 ユダ・ウィリアム 3歳

『人種』 ヒューマン

『レベル』 31/999


『体力』 E/S

『魔力』 C/SS

『攻撃力』F/S

『防御力』G/A

『素早さ』E/S

『知力』 D/S


『ユニークスキル』 神の目 創造魔法

『職業適正』 統率者

『称号』 転生者 第三王子


んで5歳になった俺

『名前』 ユダ・ウィリアム 5歳

『人種』 ヒューマン

『レベル』 56/999


『体力』 D/S

『魔力』 B/SS

『攻撃力』D/S

『防御力』F/A

『素早さ』D/S

『知力』 C/S


『ユニークスキル』 神の目 創造魔法

『職業適正』 統率者

『称号』 転生者 第三王子


レベルは50台になった。ステータスも少しは上がったし魔力はBまで上がった。魔法師団の人と模擬戦をしたら勝てる頃だろう。メリックに勝てるように頑張りたい。


この誕生日パーティーが終わったら久しぶりに外に出て見ようかな?創造魔法のおかげで出来ることも増えたし、魔法と剣を同時に使ったら一般人とかチンピラには負けることはなさそうだし、そろそろ頃合いかもね。


まあその前にこの憂鬱な5歳の誕生日パーティーだ。




はあ……嫌だなあ







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