魔法の才

今日から魔法の実践練習だ


「今日からユダ様のご指導をさせてもらいます。メリックでございます。よろしくお願い致します」


この爺さん魔法できるのかな??見るからに老いぼれ爺さんって感じだけどさ


「うん!よろしく!めりっく!」


さてとステータスを見せてもらおう



『名前』 メリック・ハルバルト 68歳

『人種』 ヒューマン

『レベル』 294/333


『体力』 B/A

『魔力』 A/A

『攻撃力』D/D

『防御力』C/B

『素早さ』B/B

『知力』 A/A


『ユニークスキル』なし

『職業適正』 執事

『称号』なし


この老いぼれメリックすごく優秀じゃん。最大値がAなのが3つもある。これはすごい。学べることは全部学んでおこうやないか



「今日は体内にある魔力を感じるところから始めていきましょう」



それはもう出来るんだよなあ。時間ももったいないし、さっさといこうかー!


「それならできるよー!」


俺は魔力を使い、自分の身体を強化する。いわゆる身体強化というものだ。


「なんと!?そのお歳で身体強化が使えるのですか」


まあ実際は30歳なんだけどね



「なら今日はユダ様が何の属性に適性があるか調べていきましょう」



そういってメリックは本を渡してきた。


「これはなに?」


「その本には火、水、風、土の初級魔法の詠唱が書いてあります。その詠唱を読んで魔法が発現すれば適性あり。発現しなければ適性なしとなります」


ふむ。こんな本があったのか。はつしり。おしり。なんちゃって(´>∀<`)ゝ


「魔法って詠唱が必要なの?」


「必ずしも必要というわけではありません。魔法はイメージが大切なので、詠唱はあくまでイメージを持たせる為の物にすぎません」


ふむふむ。そういうことか。なら今後の俺には必要ねぇや


「わかった!」


まずは火魔法を試してみようか

まあ結果はわかってるんだけどね……


「闇夜を照らす猛る炎よ、出でよ-照炎ヴァレスト


詠唱を終えた瞬間、手に軽い火が燃え上がった。


「ほう。火の適性ありですか。念の為すべての元素を試しておきましょう」


「わかった!」


次は水魔法だな


「命の源、清らかなる水よ、我が手に集え-流水ウォーター


こちらも手に水が浮かぶ。


「なんと!二属性に適性ありですか。これは鍛えがいがありますな」


驚くのはまだ早いぜ老いぼれ爺さんや


「大気よ、風を起こし給え-旋風ウインド


手に小さな風が吹く


「!?三属性に適性があるのですか!これは神童ですな。もしや土の属性も使えるのですか……?」


ごめん。土は使えなかったんだ……


「大地よ、この手に集え-土塊ヴァレット


うん。土魔法は使えないんだよね。知ってた


「ふむ。三元素使いですか。これは凄い。アーサー様に続きユダ様まで神童ですか」


メリックは一人でブツブツ呟いている。


「メリック?僕すごいの?」


「はい。三元素使いなんて私は見たことがありません。アーサー様は二元素使いですが、その才をユダ様は超えておられます」


ふーん。アーサーお兄ちゃん二元素使いなんだ。何属性使うんだろ?


「そっか!うれしい!」


そうして今日の訓練がおわった。


明日からの訓練も楽しみだなあ






メリックはユダの指導を終えた後、国王の元へと向かっていた。


「なんと!?ユダが三元素使い!?それはまことかメリック」


「はい。この目でしっかりと確認しました」


「ふむ。この国の未来は明るいな。メリックよ」


「はい」


「ユダの指導はより厳しくして構わん。その代わり国を背負う魔法士に育てるのだ」


「かしこまりした。このメリックにお任せください」





そうしてユダの初魔法訓練は幕を閉じた。


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