2024/05/02(木)_インタビュー
本日も魔法陣の選定課題。雨季の討伐会〝トライ・ブルー〟で各団体に貸出す魔法陣を選ぶのだ。プレゼン資料作成のための情報収集は続く…。
ちなみにプレゼンの日程が五月十日に変更となった。ミラーに緊急の依頼が入った為だ。彼女には悪いが実にラッキーである。ただしミラーからは「その分、クオリティが楽しみだな」と圧をかけられていた。やはり怖い人だ…。
昨日、フリュウポーチことポーチから魔物の情報をゲットした。スモール・スライムやゴブリン、アーヴァンク、水性妖精など、対象とする魔物の出現エリアと特徴を知る事が出来た。また前回同様に冒険者ギルドの依頼リストを確認! 最近出現している魔物についてもメモを取っておいた。
ただしポーチからは「冒険者ギルドの担当するエリアと一般企業の担当するエリアは魔物の種類、数も異なるはずだ…。私以外からもインタビューした方がいい」と言われていた。なるほど…一般企業なら、と思い近場でアキニレに聞いてみた。
ところがだ
「俺は去年の討伐会には参加してないんだよ。ミラーは皆勤賞だから、彼女に聞くといいよー」とアキニレ。
「ミ、ミラーですか…」
「それに彼女は元冒険者だ。戦う者の視点からアドバイスをくれるかもよ」
「あ、はい…」
ミラーかあ…教育熱心だし、実はいい人なのも知っているんだけどなあ。あの上下関係に厳しい姿勢…背筋がピシッとなるのだ。恐る恐るミラーの座っている机に顔を出す。
「あの、去年の討伐会について質問したいのですが…」
「質問? ミラーの眉間に皺がよる。」
え、既になんか地雷を踏んだかしら…!!。
「私はあと五分でお客様との打合せだ。社内連絡の黒板にもそう書いたと思うのだが?」
「あ! すみません!!! 失礼しました!」
やべっ!
私は慌ててミラーの机から離れようとした。
「待ちなさい」
「は、はい?」
「君の質問は丸投げ過ぎる。どこまで調査しているのかと、何を聞きたいのかを明確にしておくように。それが最低限のマナーだ」
「あ、すみません」
「それと今のうちに私の予定を押さえておかなくていいのか? 後で泣きを見ても知らないぞ?」
「あ、えっと…十六時からお時間いただけますでしょうか」
「その時間も打合せだ」
「え、でも黒板には空き時間って…」
「そっちは明日の予定だろ」
本当だ!!!
「すみません、十五時からでも大丈夫でしょうか…」
「分かった、問題ない」
「ありがとうございますっ」
「今後は今の事を考慮した上で行動するように」
「はいっ」
その後、何とかミラーをインタビューする事が出来た。しかし「質問の仕方が悪い」とか「私に何を求めているのか分からない」など滝のような指摘を貰いまくり、インタビューが終わる頃には定時を過ぎてしまっていた。頭が疲れたし、ミラーにも申し訳ない事をしたとも思う…。私も社会人として、もっと成長しなくては。
この二日間でポーチ、ミラーと厄介な者たちを相手取って何とか情報を集める事が出来た。来週はランチュウ、アンプと情報交換である。これでランチュウとアンプが中途半端な情報しか持ってこなかったら許さんぞ、本当に。勝手にプリプリしながら帰路につくのだった。
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