2024/04/30(火)_同期三人同盟

 昨日の検証で、ワークツリーの戦闘用魔法陣について知れたように感じる。(それと同時に多くのモノを失った気もするが)この魔法陣から討伐会〝トライ・ブルー〟で貸し出す魔法陣を選ばなくてはならない。


 昼休憩の時、男子三人衆のアンプ、ランチュウに話しかけられた。こんなのは初めての事だ。特にランチュウなんか必要なければ絶対に話しかけてこないのに。

「魔法陣選定の課題、進んでますか?」とランチュウ。

「いや、まだなんとも…」

「なら僕らと協力しないか?」

 え、なんか意外な提案だ。あと男子三人衆の一人、スワンがいない事が凄い気になるんだけど。

「五人で協力するって事?」

「いや、我々三人だ。そしてそれは君が思っているような稚拙な理由じゃない」

「は、はあ…じゃあ何で私たち三人なの?」

「今回の課題、イントが地元のアセロラ、スワンが絶対的に有利だ。僕はどんな課題でも、誰にでも勝ちたい。だからそれ以外のメンバーで同盟を組みたいのだ」

 か、課題一つでそこまで熱くならなくても…まあ二人が有利なのも、ランチュウが超負けず嫌いなのも理解した。確かにあの二人は元々討伐会の事も知っていたようだ。

「それで組むのか? 組まないのか?」

「手を組むのはありなんだっけ?」

「ダメとは言われてない」

 お、おう…。

 こういう事をズバッと言えてしまうのがランチュウのようだ。「な、なるほどォ…」と呟きながら取り敢えず首を縦に振った。

「アンプはランチュウと協力するの?」

 後ろのアンプにも聞いてみる。アンプはちょっと驚いた顔をしてから次のように続けた。

「イエス、この課題の本質は多様な魔法への知見を深める事だと考えております。ならば協力はアリかと」

 まあ確かにアンプの意見は筋が通っている様に思えた。それにアセロラをギャフンと言わせてやるのも気分がいい気がする。

 

 そう、この課題は〝ノー・ロマン〟の弔い合戦でもある。

 

「分かった、具体的には何をするの?」

「僕らとあの二人を比較した時、足りてないのは土地感と経験だ」

「なるほど」

「手分けして地形や付近の魔物について調査したい」とランチュウ。

「各団体の去年までの戦い方についても知りたいですな」とアンプ。

 二人ともスラスラと案が浮かんでくるのね…。私の「アセロラをスライムのおもちゃで驚かせ妨害する」という提案は無言で却下された。ランチュウからは「は?」という顔をされた。だ、だって私も何か喋らなきゃと思ったから…別に本気ではないしィ。

 そんなこんなでランチュウ・アンプ・私同盟が誕生した。


 ちなみに最近は課題以外だと先輩の作成した魔法陣のテスト作業を行なっている。魔法陣をぶっ通しで発動させ続けて、二時間動く事を確認したりする。魔力が尽きるので定時にはくたくたである。まさか肉体労働が待っていようとは…。


 そして何とか一か月分の日記を書ききれた。個人的には「割と奇跡!」だと思っている。取り敢えず部屋の片隅で小躍りして祝ってみた。

 まあ、これからもマイペースに続けていきたいなあ。

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