第2話 適度

初めて対面したのは、その気はなかったのにたまたま立ち会ってしまった、病院の自然分娩室の畳の部屋だった。

男ができることはほとんどない場所で助産師さん達が慌ただしく動いている傍らで自分は、ただただ目の前の光景に目がクギ付けになっていた。

影の皇帝の下半身から膜が徐々に出て、その中で何かがクルクル動いている。

まさに映画の『エイリアン』そのもの。

途中で助産師さんが膜を破った瞬間…鼻まで出てきていた状態でご対面である。

そのインパクトが強すぎたのか、

しばらくは毎日寄り道をし、帰っていたように思う。

しかし今思うと逆にそれが良かったのではないだろうか。

これに関してはあちこちからクレームが来そうだが…

愛情を与えるのは大切だが、与えすぎもいかがなものか。

植物も水をやりすぎすると根が腐ってしまう場合があるし。


考察② 愛情は与えすぎるな、適度に距離を取れ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る