第2章26話:森の探索

魔物を倒しながら森を進んでいく。


このとき俺は【探知たんち】スキルを使う。


このスキルは、半径300メートル以内にいる魔物や人物の存在を探知することができる。


探知スキルによって、効率よく魔物を発見し、討伐していく。


「良い経験値けいけんち稼ぎになるな」


と俺は思った。


ちなみに現在の俺のレベルやステータスはこうなっている。




◆◆◆

名前:フロド

年齢:36歳

適性:錬金術師

レベル:27(第一位階)


HP:130

魔力:450

攻撃力:25

防御力:34

敏捷性:70

魔法攻撃力:30

魔法防御力:28

◆◆◆




適性職てきせいしょくが錬金術師の場合、攻撃力、防御力といった戦闘系せんとうけいのパラメータは全体的に低い。


またHPも低く、たれよわい。


魔力と敏捷性アジリティだけがやたらと伸びていくのが錬金術師の特徴だ。


こういう特徴なので、




①膨大な魔力を使って高性能な武器を錬成。


②スピードを駆使して敵の攻撃を避けながら、錬成武器れんせいぶき殲滅せんめつする。




……というスタイルに落ち着きやすい。


あるいは自分に能力上昇バフをかけられる【バフアイテム】を錬成し、戦闘で用いて戦うのもアリだが。


いずれにせよ生身なまみ肉弾戦にくだんせんではほとんど役に立たないのが、錬金術師というものである。


(そうはいっても、レベルが上がれば、肉弾戦もある程度は強くなるがな)


だからレベリングは欠かせないことだ。


ちなみにレベルは99まで上がると、その次はレベル100になるのではなく、【第二位階だいにいかい】へと昇格し、レベルは1に戻る。


そして、またレベルを100にすると、今度は【第三位階だいさんいかい】へと昇格しょうかくし―――――以後ループだ。


位階は無限に存在するので、実質、レベルの上限はない。


鍛えれば鍛えるほどレベルを上げていけるのが、この異世界の特徴である。


現在いまの俺は【第一位階だいいちいかい】なんだよな……)


ゆえに最弱。


もっとレベルを上げていかないと、強力な魔物とは戦えない。


(ランドウルフ・マザーはボス級モンスターだろうし、良い経験値けいけんち稼ぎになるだろう。早く出会いたいもんだ)


と俺は思いながら、森を進んだ。








森の浅層せんそうを越えて、深みに入っていく。


魔物としては、


植物型しょくぶつがたのモンスターであるアゼルフラワー、


アンデッド系であるスケルトンソルジャー、


サル系であるウッドモンキー、


……などが中心である。


低層ていそうの森と違い、経験値が美味しい。


レベルがぐんぐん上がっていく。


ある程度、散策をしたところで。


おもむろに探知スキルを使うと、俺は魔物以外の存在を察知した。


「ん……近くに人がいるな」


俺と同じ、狩りをしに来てるやつか?


探知スキルによると、その者はどうやら一人のようだ。


ソロの冒険者……?


なんとなく気になったので、その人物のいる場所へ立ち寄ることにする。


すると。


森のおくまった場所。


少しひらけた円形の広場のような場所があり……


そこに一人の女性がいた。


(ん……あいつは……)


見覚えのある姿だ。


衛兵の女。


ジェーンである。


(こんなところで何をしてるんだ?)


と俺は疑問に思った。


ジェーンは冒険者ではない。


こんな森の奥にようがあるとは思えないが……。


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