第2章10話:村

そんな調子で5日ほど、野宿をしながら、森の中で狩りをおこなった。


おかげで、レベルもぐんぐん上がっていった。


魔物も、数百匹は倒し……


その肉や素材はアイテムボックスに蓄積することになった。


そして。


俺は、いよいよ森を抜ける。


街道があったので、その街道のうえを歩き始めた。


30分ほど歩くと、街道のかれみちに差しかかる。


その分かれ道に立て札があった。




―――この先、ユレット村




と書かれている。


もちろん、知らない村だ。


(ちょっと立ち寄ってみようか?)


そう思った。


なので、俺はユレット村の方角へと続く道を歩き出す。









それから30分ほど経って、ついに村の入り口に到着した。


「ここが……ユレット村」


入り口から村を眺める。


なんというか……。


鬱屈うっくつとしている?


あまり活気があるように見えないな。


それに慌ただしい様子もうかがえる。


何かあったのやもしれない。


近くの村人に聞いてみよう。


「あの」


村人に声をかける。


中年ぐらいのオッサンだ。


ヒゲを生やしている。


反応を返してくる。


「ん、なんだ?」


「自分は旅をしている者なんだが……」


「ああ、そうかい。そりゃツイてないな」


「え……?」


いきなりツイてないと言われて、首をかしげる。


オッサンは、その理由について説明した。


「いま、ちょっと村で問題が発生しててな。旅人を歓待かんたいしてくれる場所はないだろうよ。それこそ宿屋でもな」


「何かあったのか?」


と、俺は尋ねる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る