第2章

第2章8話:森

―――第2章―――



翌朝。


テントの中で目覚める。


メシを食べて、支度したくを済ませてから、テントを片付ける。


街道を歩き出した。


(とりあえずレベリングがしたいな)


と俺は思った。


ゲームデータから引き継いだ錬金術やスキルについては強力だし、アイテムも豊富だ。


しかし、レベルやステータスだけは1からスタートである。


ギースたちを倒したことで、少しはレベルが上がったが、まだまだ低い。


ゆえに、まずはレベリングをして、自身を強化したいと思った。


(ラティナ王国のことはよく知らないんだよな)


俺は、ゲームでもラティナ王国の方角は、あまり冒険しなかった。


だからラティナ王国や、その先にある国々について、よく知らない。


(人に聞きつつ、初心者向しょしんしゃむけの狩場かりばを探すか)


そう思って歩き出す。


途中で馬車を発見した。


俺は、馬車の荷台にだいに乗せてもらう。


馬車に乗って移動する。


風景が後ろへと流れていく。


途中、御者ぎょしゃのおじさんと雑談をした。


雑談の中で【リズベック領】というのが、初心者向けの魔物が出てくるという話を聞けた。


なので、リズベック領へ向かうことにする。


馬車の荷台を下りる。


リズベック領行りょういきの、別の馬車に乗車し――――


俺は、リズベック領へ辿り着いた。


「……」


領境りょうきょうの関所を抜けたところで、馬車を降りる。


ここからは魔物狩まものがりをおこなっていく。


だから街道ではなく、できるだけ、草原や森などのフィールドを歩きたいところだ。


「よし、いくか」


俺は街道を外れて、近くに広がる森のほうへと歩き出した。








穏やかな森である。


枝葉しよう隙間すきまから、陽射ひざしが射し込んできている。


小鳥のさえずり。


草木くさきのにおい。


自然の気配が満ちていて、のどかな気分になる。


しかし、ここには、もう魔物がいる。


気を引き締めていかないといけない。


20分ほど、森の中を歩いたころ。


「……!」


一匹のイノシシが現れる。


ツノが生えている。


動物ではなく……魔物。


ルグイノシシと呼ばれるモンスターだ。


(なるほど……たしかに初心者の修行にはちょうどいい相手だな)


ルグイノシシは、そこらの農民が退治するには結構大変だが……


最低限、戦える冒険者なら、問題なく狩れる魔物だ。


俺は、アイテムボックスからマシンガンを取り出す。


「ブググ……」


と、ルグイノシシはうなるように吠えた。


こちらをにらみ、筋肉をたわめる。


次の瞬間。


「ブググ!!」


ルグイノシシが突進してきた。


直線的な動き。


俺は、まずルグイノシシの攻撃を横に回避。


ルグイノシシが走り抜けていく。


そのルグイノシシにマシンガンの照準をあわせる。


スキル【命中補正】のおかげで、狂いなく照準をルグイノシシにあわせることができ―――――


発砲。


5発撃ったマシンガンの銃弾が、ルグイノシシに命中した。


「ブギャッ!!?」


穴だらけになったルグイノシシは、断末魔だんまつまの叫びをあげてひっくり返った。


まだ死んでいなかったので、俺はトドメの銃弾を、ルグイノシシの脳天に叩き込んだ。


ルグイノシシが絶命する。


「ふう……」


楽勝だった。


まるで負ける気がしない。


現代兵器はすごいな。


ルグイノシシは経験値が美味しい。


身体が大きいので、肉や素材もたくさん取れる。


しばらくルグイノシシを狩りまくって、レベリングしようかな?




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