第1章7話:戦利品

「ふう……」


俺はひと息ついた。


復讐を遂げた達成感が、胸のうちに渦巻く。


俺は拳銃をひとまずアイテムボックスへ収納する。


アイテムボックスに収納するには【アイテムイン】と、頭の中で唱えることで収納可能である。


逆にアイテムボックスから出すときは、取り出したいアイテムをイメージしながら【アイテムアウト】と唱えたらいい。


今回の場合は、拳銃をアイテムインだ。


そしてショートソードをアイテムアウトする。


「……」


俺は、倒れた6人の首を一つずつハネていった。


確実に死を与えるためである。


異世界では、治癒魔法や回復ポーションなど、回復手段が多い。


たとえば心臓に穴をあけられても、すぐに治癒魔法を使えば一命を取り留めることもある。


だから殺したと思っても、実は生きていたというパターンは結構あるのだ。


しかし、首をハネられた場合は別だ。


首をハネられた状態で治癒魔法は使えないからである。


なので、確実に殺すためには首を切断しておくのが正解である。


「よし」


全員の首をハネ終わった。


これで、こいつらがうっかり生き残ることはない。


「あとは……戦利品の回収だな」


俺はつぶやいてから、ギースたちから戦利品を回収する。


武器。


防具。


アイテムバッグ。


金銭袋。


……などなど、である。


ギースたちはそこそこの冒険者であるので、主にD~Cランク相当の戦利品を回収できた。


「こんなもんかな」


回収作業が終わる。


もうギースたちに用はない。


俺は、ギースたちの死体に背を向けた。


歩き出す。


1キロほど歩いたところで、夜になったので。


そこで野営をすることにした。

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