第1章6話:決着

次。


ギース以外では、最後の一人だ。


女である。


俺はその女に、拳銃を向ける。


するとギースが叫んできた。


「やめろ! そいつは、俺の、女だ……!」


「ほう」


俺は引き金に指をかける。


「それは良いことを聞いたな」


バァンッ!!


容赦なく、ギースのカノジョに銃撃を叩き込んだ。


「あ、ああっ……!!」


ギースが発狂する。


「テメエエエエエエェーーーーーッ!!!!!」


感電した状態でも、ギースは大声おおごえを上げた。


怒りと憎しみの目を向けてくる。


俺はそれを冷ややかに見つめた。


ギースの目から涙が流れる。


涙ながらに、ギースは告げる。


「よくも、よくもヴェニカを!」


ヴェニカ?


さっき殺したカノジョの名か?


まあ、どうでもいい。


覚える価値もないだろう。


ギースは俺を罵倒ばとうしてくる。


「たまたま良い武器が手に入ったからって、いきがってんじゃねえよ。ザコが!」


さらにギースは続けた。


「強い武器があれば、人生が変わるとでも? お前なんてな、どこいったって底辺なんだよ! ザコは、一生ザコだ」


いぬ遠吠とおぼえだな」


と俺は冷たく言い放った。


さらに俺は続ける。


「俺が底辺の雑魚だって? ああそうかもな? じゃあ俺に負けていつくばってるお前はなんなんだ? 雑魚以下のゴミか?」


「なん、だと……ッ!」


「ほら、立ってやり返してみろよ? 俺はお前のカノジョを殺したかたきだぞ?」


「くっ……!!」


ギースは歯をくいしばり、感電にあらがおうとする。


だが立ち上がろうとしても、力が入らず、くずおれる。


また立ち上がろうとして、くずおれる。


それを何度か繰り返したあと、ギースは拳を握り締めた。


「畜生……チクショウ……!!」


俺は冷ややかに告げる。


無様ぶざまだな」


ギースが涙と憎しみにまみれた顔で、見上げてくる。


俺は告げた。 


「俺はお前らにめられて、国外追放になったとき、死んでしまいたいと思ったよ。本気で自害しようと思った」


さらに俺は続ける。


「だけどな、いま、わかったよ。……俺は、本当はこうしたかったんだな。俺に罪をなすりつけたお前らを、なさ容赦ようしゃなく、殺したい……そんな自分の感情を、ようやく自覚できたよ」


そっと拳銃を、ギースに向ける。


がねに指をかけた。


「じゃあな、ギース。これでお別れだ」


「待っ――――――」


バンッ!!!


夕闇ゆうやみ銃声じゅうせいが響く。


ギースの脳天のうてんに叩き込まれた銃弾じゅうだん


即死である。


 

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