第1章5話:銃

倒れた6人。


全員、気絶まではしていないが、動けないようだ。


痙攣けいれんしたように震え、起き上がれなくなっている。


「なんだ……いま、のは……」


ギースが口を開いた。


「身体、が、……動かねえ……!!」


ギースが歯ぎしりする。


俺は告げた。


「いまのは電気……わかりやすく言うと、雷だ」


電気という言葉は、異世界では一般的ではない。


だから雷という名称を使うことにした。


ギースが愕然がくぜんとする。


「か、雷、だと」


ギースが驚きながら尋ねてくる。


「お前は、雷を、あやつった、というのか!?」


「そうだ」


「……バカな!? そんなの、超一流の魔導師でも、できるやつは、ほとんどいねえだろうが」


「魔導師? お前、これが魔法だとでも思ってるのか?」


「え?」


「これは魔法じゃない。科学だ」


「かが、く……?」


「まあ知らないだろうな。知らなくていい。どうせ死ぬんだからな」


ギースが目を見開く。


俺は冷たく微笑んだ。


「感電したお前たちを殺すなんて、ワケもないことだ」


使い終わった【電撃爆弾】をアイテムボックスへ収納する。


代わりに、アイテムボックスから拳銃を取り出した。


弾を装填そうてんする。


「おい……ッ、なんだ、それは!?」


ギースが拳銃を見て、尋ねてくる。


俺は答えた。


「コレか? これはこういうものだ」


拳銃を、ギースの横にいた女に向ける。


がねに指をかけ、


バンッ……!!


と発砲した。


女の脳天のうてんに銃弾が叩き込まれる。


その女は、あっけなく絶命した。


俺は告げた。


「これが拳銃だ」


「なっ……」


ギースが信じられないものを見たかのように、俺と拳銃を見上げてくる。


「この拳銃を使って、いまから、お前たちを皆殺しにする」


と俺は宣言した。


ギースは歯ぎしりをした。


俺はギースの後ろにいた男に近づいた。

 

「ああちなみに、お前たちのアイテムもカネも、根こそぎいただくからな? そういうのはいくらあっても困らないしな」


俺がそう告げると、俺の前にいた男は叫ぶ。


「ふざ、けんな! お前みたいな、ゴミに、渡すわけが―――――」


男に、俺は容赦なく銃弾を叩き込んだ。


胸に2発、それから脳天に1発ぶちこむ。


「くださいって言ってるわけじゃないんだよ。根こそぎ強奪するって言ってるんだ。お前らを殺した戦利品としてな」


次に、近くにいた女の前に立つ。


俺は拳銃を、女に向ける。


「お願い……ゆる、して……」


そう懇願こんがんしてきた女に、銃弾を3発撃ち込んだ。


糸が切れたように、女は死んだ。


次……


少し大柄の男の前に立つ。


彼に拳銃を向ける。


「たの、む……! みの、がしてくれ。俺、には、娘が、いるんだ……!」


「だからなんだよ? 知るか」


俺は容赦なく、銃弾を撃ち込んだ。


大柄の男はあっけなく死んだ。

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