第1章4話:攻撃

俺は激昂げっこうした。


「勝手すぎる理屈だ! お前たちは、俺の人生をどこまで壊せば気が済むんだ!? お前たちのせいで、俺は国まで追われることになったんだぞ!?」


「そうだな。でも俺たちは悪くねえ」


ギースが言った。


「お前がバカだから悪いんだよ、フロド? バカで無能な錬金術師だから、俺らみたいなのにめられるのさ」


俺は目まいがするような怒りに包まれる。


その怒りを必死におさえつけ、尋ねる。


「……罪悪感はないのかよ」


「あ?」


「人を破滅させて、後ろめたく思う気持ちはないのか?」


「ははははは! あるわけないだろバーカ!」


「……」


「なんだよお前。俺たちが反省しているとでも思ったのかよ? 残念だったな! お前を嵌めたことを、俺たちは微塵みじんも反省してねーよ。バカがだまされて追放されたってだけだもんな、ギャハハハハハ!」


そうかよ。


よくわかった。


もう、話したくない。


俺は言った。


「だったら、俺はお前たちを殺す」


「は?」


「お前らは、俺を殺すためにココに来たんだろ? だったら、返り討ちにう覚悟ぐらいできてるんだろうな?」


「ひゃはははははははは!!!」


ギースは笑った。


それ以外の5人も、冷笑したり、笑い転げたりしている。


ギースが告げる。


「あはははは、ははっ、お、おまえっ、俺たちを殺すって言ったのか?」


「ああ、そう言った」


「お前みたいなカスが、俺らに勝てると思ってんのかよ? 状況見じょうきょうみてから言えよ無能が!」


ギースたちが爆笑している。


俺は静かに、アイテムボックスから【電撃爆弾でんげきばくだん】を一つ、取り出した。


それに気づいていないギースが、笑いながら告げる。


「だいたい錬金術師みたいな非戦闘員ひせんとういんが、戦闘職せんとうしょくである俺たちに勝てるわけねーだろうが! んなこともわかんないから、底辺なんだよお前は!」


ギースに同調して、他の者たちも口々に言う。


「バカに生まれると人生大変よね」


「弱いやつほど良くえるって言うもんな」


俺は。


それらの言葉を聞いて。


ひたすら心がっていった。


(クズどもが……)


もう、容赦はしない。


俺をめたことは、死をもってつぐなってもらおう。


俺は――――


電撃爆弾のスイッチを、静かに押した。


次の瞬間。


「―――――――――!!?」


ズヴィジィッ!!!


と、凄まじい電撃が炸裂する。


半径100メートルの範囲に電撃を発生させる爆弾。


異世界では電気耐性でんきたいせいを持っている者は極めて少ない。


ゆえに、ギースたちがこの電撃を防ぐことはできない。


「か、は……っ!!」


ギースを含む、6人全員が、一瞬にして感電かんでんする。


6人がその場に倒れた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る